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さて、それでは最後にいよいよ大学生男子のご紹介にいきます!
2021 RISING STARシリーズの男子編、最終回の後編は大学生の13名です。






RISING STAR~FILE 20
T国際大 W崎選手
T国際大1年 W崎H斗選手
168cm70kg T幡高出身
大学生Rising Starの最初にご紹介するのはT山国際大1年、W崎H斗(WAKASAKI・HARUTO)選手です。
W崎選手は石川県出身、兄弟でボート選手。お兄さんのY希也さんはI川工業高専でインハイM1X3位、K沢大を経てN体大で活躍されています。そのお兄さんの後を追うようにT幡南中からボートを始め、シドニー五輪LM2X6位のH谷選手を輩出したT幡高に進み、高3シーズンの全国選抜ではM1X7位。お兄さんを超える成績をと、インハイをめざしていましたが2020年コロナ禍によってインハイ中止。代替大会には出られなかったようで、地元のT幡漕艇場での県の特別大会で優勝して高校ボートに区切りをつけ、ボートの強豪T山国際大へ進むことを決めました。
昨年のコロナでは今年以上に大会が中止となり、今年もたくさんいらっしゃったと思いますがこの本当に中身の濃いボート生活のすべてをぶつける舞台がなく消化不良で学生生活の区切りをつけた方はたいへん多かったことと思います。
しかし、W崎選手は前を向いていました。おそらく早生まれなのでしょう、今年4月のU19アジアジュニア代表選考に、唯一大学生ながら果敢にチャレンジ。選考の決勝に駒を進めますが、W崎選手、あと本当に2秒だけ足りずに決勝5着となり代表の座を逃してしまいました。決勝4位までのN島選手、S目選手、W田選手、H多選手は代表選出で、5位のW崎選手は選ばれませんでした。
しかし代表まであと一歩の結果を示し、昨年以上の成長と手応えを手にして、今度はT国際大としてのチャレンジが始まります。対校トップ4のM2X、M2-が部内最強の4人だと思いますが、1、2年の期待の若手で編成されたM4Xも、もちろんインカレ優勝をめざし素晴らしい艇速を磨き上げてきました。そのストロークには、W崎選手。
迎えた全日本インカレ、M4X初日タイムトライアルでは○TT、S台大と当たる激戦の組、ここでは○TTにやや出遅れますがS台大とのマッチレースとなり後半も強さを見せて前年全日本優勝の強豪相手に競り勝ちます。予選、準決勝と厳しいレースが続きますが決勝に進みいよいよ全日本インカレの最終決戦。ここでT国際大は、絶対的な優勝候補○TT相手に1000mまで半艇身で食らいつく最高の艇速を見せます。1500mでは1艇身ほどになりますがあと少しで全日本2位、インカレ優勝が見えてきた・・・。しかし最後の最後にS台大の恐るべきラストスパートによって逆カンバスに迫ってきた艇差を一気にひっくり返されてしまい、全日本3位、インカレ準優勝という結果となりました。
悔しいレースだったとは言え、着実に階段を上っていて、頂点まであと少し。上をみて、追いかけるW崎選手の挑戦の日々は続きます。







RISING STAR~FILE 21
S台大 K山選手
S台大1年 K山N人選手
177cm66kg Y田高出身
こちらも1年目で全日本インカレ優勝争いをしたS台大の期待の若手、K山N人(KAJIYAMA・NAOTO)選手です。
岩手県の山田湾は青春の海という、Y田高出身です。高1から早くもM2Xなどで活躍し、大学では東北の強豪S台大に進んでの1年目。昨年全日本優勝のS台大スカルチームの対校とも言えるM4Xメンバーに選ばれました。
ストロークの4年Y下選手、バウの5年目S浦選手など実力と実績を備えた先輩と組み、1年ながら任された3番。K山選手はまだ細身で身体作りはこれからという印象ですが、エルゴはしっかりと回しているようで切れ味がありながらもズドンと重いレッグドライブでクォドを駆動していきます。
全日本・インカレの決勝、○TT、T国際大、M大、N大、N体大というM4Xの日本一を決めるにふさわしい対戦相手。K山選手のS台大はスタートのスプリントでしっかり○TTとT国際大の先頭集団に並びかけ、コンスタントでは自分たちの持ち味を考慮しやや我慢、徐々に抜け出し先行する○TTとT国際大に対して焦ることなく自分たちに集中し、コンスタントで伸びてくるM大と牽制し頭をとらせないようにしながら好機を待ちます。第3クォーターで一気に仕掛け、4番手M大の進出を抑えながらT国際大の逆カンバスから半艇身をうかがっていくと、ラストでずっと待っていた伝家の宝刀、スプリントの稲妻スパートです。K山選手もひときわ強く反応し、めいっぱいに上げていくと、ぐんぐんスピードが高まりあっという間にT国際大を飲み込み1'30のベストラップで突き抜けインカレ優勝、全日本2位のゴールを果たしました。
○TTには届かなかったものの、見事インカレ優勝を果たしS台大の新たな力となることができたK山選手。2年連続インカレ男子総合優勝のS台大、今シーズンはこれが唯一の優勝だっただけに、貴重なタイトルにもなりました。
坊主頭に丸めたストロークY下選手と髪を伸ばし長髪をなびかせるK山選手のストペアということで個性的なクルーにも見えましたが、チームワークバッチリ、最高の一体感で優勝のスパートを決めたS台大M4X。先輩の教えや思いを引き継いで、今度はK山選手が中心となってS台大を引っ張っていきたいですね。







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R命館大 K原選手
R命館大1年 K原H宇選手
172cm70kg S風高出身
1年ルーキーをバンバン続けていきます。R命館大1年、K原H宇(KAJIWARA・HOTAKA)選手です。
R命館大は今でこそ女子スイープ最強チームのイメージが強くなっています。インカレW4+4連覇、インカレW2-2連覇、そして全日本W2-8連覇。この8連覇というのは、全日本の女子種目連覇としては最長の記録更新中です。W8+は全日本優勝3回。スイープ強いですね~。(ちなみに2012年に全日本W2X優勝もあります)
しかし、R命館大はもちろん男子が元々強かったのです。1976年インカレM8+優勝は今も燦然と記録に残り、やはり関西も大学ボートは全日本M8+優勝経験があるD大とインカレM8+優勝経験があるR命館大は別格かもしれません。インカレ優勝が多いR谷大も含めて関西私大3強と私は思っています。
そしてR命館大は2000年代、男子の時代が続きました。それまで経験者と未経験者の融合のイメージでしたが、経験者が多くなりスイープ路線も徐々にスカルへ移行し、M2XやM4Xの強豪チームとして多くのタイトルを得るようになります。2005年と2008年に全日本M4X優勝、2005年インカレM4X優勝、2006年と2011年インカレM2X優勝という形で、優勝争いやメダル常連のトップクルーが数多く生まれました。経験者を採り、長くR命館大を支える監督コーチの存在があり、関西ボートにおいて常に全国トップを争いながら、2010年代から女子を目に見えて強化し毎年のようにジュニア代表が入ってくるまでに定着しました。
しかしその中で、経験者と未経験者を融合したかつてのR命館大男子が復活してきているように思います。これまで未経験者のクルーと経験者のクルーで分けられていた印象もありましたが、近年インカレの編成を見るとミックスしたクルーが関西でトップ争いしながら素晴らしいクルーとしてインカレであと一歩のところまで来ています。
今年のインカレM2Xの4年未経験T花選手と1年経験者K原選手の2人がインカレ5位、そしてM4Xでもストロークペア2人経験者、バウペア2人未経験者の4人がインカレ7位となったのが象徴的ですね。
勢いのある男子未経験者が多くなり主将を務めるリーダーが育ち、そして数人の経験者が中核を担い看板クルーをリードする。その未経験者もご紹介したいところでしたが、今回は経験者のほう、1年ながら4年の先輩と組んでインカレM2X5位になったK原選手にフィーチャーさせて頂きます。K原選手自身はS風中・高出身で小6まで水泳、中学からボートを始め、高校の時は全国3位が最高とのこと、今回の全日本・インカレでは予選で高校ナンバーワンダブルとも互角に近いレースをしましたし、準決勝では3番手でレースをしてあともう少しで全日本決勝まで辿り着きそうな所を、後半に強いT経大に第3で出られ、最後まであきらめずもつれますが惜しくもカンバス差競り負け4着でFinal Bに回ることとなりましたが、インカレ3位まであと一歩のカンバス差でした。順位決定ではS台大、R谷大とも接戦の末、インカレ5位となり、先輩のT花選手とともにメダルには届かなかったもの確かな経験と自信を得ることができたはずです。
来シーズンもR命館男子の復活をめざし、インカレ優勝争いへ。そして、スカルだけでなく女子とともにスイープでも活躍を見せてほしい、これからのR命館大には男女とも活躍を期待しています。







RISING STAR~FILE 23
C大 O西選手
C大1年 O西T琉選手
175cm74kg S宮高出身
続いてご紹介するのは、1年ながらC大全日本インカレ対校M4+の2番に抜擢されたO西T琉(OHNISHI・TAKERU)選手です。
C大の今年の男子漕手は5人。いずれもM8+の強いC大を選びセレクション合格した将来性有望な才能溢れる選手です。
その1年男子3人がC大入学早々春先のGリーンレガッタのM4+に選ばれます。バウに3年のN毛選手、5年目COX・K島選手というC大の強いM8+を知る先輩2人と乗った1年のストロークI渡選手、3番K崎選手、そして2番O西選手。まだまだスイープに不慣れな前の1年3人ですが、スタートからグイグイ引き離しライバルのH政大、T経大に10秒差をつけてGリーンレガッタ完勝します。この3人を中心に、1年男子5人はC大の復活を託されていると言えます。ちなみにO西選手(S宮高)とI渡選手(Y浜商業)は2020年インハイ代替大会のM1Xで敗復直接対決しておりこのときはO西選手が勝っていますが、準決勝で2人とも敗れて高校のボートを引退、悔しさを胸に同じC大に入ることとなりました。

C大は今シーズン苦戦したと言えますが、インカレ延期の際に本来インカレ日程のスケジュールで組まれたN大とC大の並べの結果によって対校M8+ではなく、全日本インカレをM4+、M4-、M8+に分ける方針に転換したようです。最後までクルー編成には変更がつきものですが、O西選手とK崎選手の1年生2人がM4+に抜擢され、ストロークペアは昨年インカレM4+優勝の3年エースN井選手、そしてGリーンでスイープの手ほどきを受けたN毛選手、COX・K島選手と再びM4+を組むことになったのです。

Gリーンでは優勝しましたが、今度は全日本・インカレでの優勝を請け負うC大対校M4+。C大のエースが乗るストロークペアと大学一、二を争う名COXに率いられ、バウペアのO西選手とK崎選手は優勝を争える仕上げをする中で日本一のスピードにチャレンジし続けました。大学タイムトライアルでほぼ同タイムで並ぶN大と当たった予選はデッドヒートを繰り広げ競り勝ったC大は別組○TTを破ったT紡織ともほとんど同じタイムで予選タイム2位、間違いなく優勝を狙える位置にいました。
準決勝は本領を発揮してきた○TTに1着を譲りますが、C大M4+は決勝で一気に出ることだけを考えていたでしょう。

そして全日本・インカレの決勝、○TT、T紡織、C電、N大、S台大という最高の相手が揃う中で、C大の求めていた日本一のスタートダッシュが炸裂し1'32でファーストラップをとります。1000mを2番手のN大、T紡織に対して1艇身差で通過し、後半の勝負もプランにありあとはスパートをかけ続けるだけでした。しかし、第3でグイグイ詰めてきたのはなんと大学生のN大。少しだけ、1年バウペアの水中も鈍ってしまったか、1500mでカンバス差近くにまで詰められると最後はラストスパート争い。最後の最後まで勝負の行方は分かりませんでしたが、残りあと数本でバウボール差出られ0.32秒差の準優勝という結果になりました。

しかしながら、1年目で堂々と戦ったO西選手。昨年までの高校ボートからは本当に大きな飛躍を遂げたシーズンでした!
中学まではバレーボールに打ち込み、ハイキュー男子だったO西選手、ギターやゲームも好きだそうですが、「ボートは今までやってきたスポーツの中で一番楽しい」とのことで、Risingな成長とともに楽しく厳しくC大のリーダーめざし頑張ってほしいです。







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N大 K橋選手
コギカジ・山田龍偉さんより写真掲載
N大1年 K橋T唯選手
163cm55kg K西高出身
今回のRising Starシリーズ唯一のCOXとして、N大のインカレM4+優勝COX、K橋T唯(KOBASHI・TOUI)選手をご紹介させて頂きます。
K橋選手は岡山の強豪、K西高出身。高校時代は2019年全国選抜M4X+2位、インハイM4X+3位、国体はM4X+優勝!ですが、悪天候の茨城国体のため決勝4クルー全部優勝の年です。2020年、コロナ禍で高3シーズンはインハイ代替大会でM4X+4位。というわけで、K西高のCOXとして常に全国決勝の舞台で戦いながら、しかしあともう少しのところで本当の優勝を逃し、悔しい思いを重ねてきた選手とも言えます。基本的には、決勝に行ったことのない選手からすればメダルも持っていて羨ましいことこの上ないのですが、決勝常連からすればそこにはまた悩みや悔しさがあるんですよね。
そして強豪のN大ボート部の門をたたき、大学ボートで飛躍を遂げたいと飛び込んだ1年目。先輩にはCOXとして評価の高い3年生の先輩、N良選手をお手本にしながら入ってすぐのNRM三大学レガッタではM4+のCOXでさっそく大舞台での舵をとるチャンスに恵まれます。N大はいま、N良選手とK橋選手の2人しかCOXがいないようなんですね。かつては学年1人COXが必ずいましたからね、M2+消滅はやはり大きく、そのぶん推薦枠には漕手を多く入れているN大の現在であります。漕手8人に対しCOX1人欲しいところだとは思いますが・・・。
そのNRMでは、スタート抑えて無理せず、コンスタントでしっかり攻め、さらに後半勝負をかけるというN大らしいレースプランが絶妙にはまり、圧勝することができました。M8+COXには引き続き先輩でありチームの正舵手N良選手が務めますが、引き続き全日本インカレではM4+COXに選ばれたK橋選手。高校で果たせなかった4人乗り日本一に向けた戦いが始まります。
上で見たように、C大は対校M4+で全日本インカレ優勝を狙ってきましたが、N大も同じこと。セカンドクルーという違いはありますが、3年IW井選手、そしてS野選手、K藤選手、Y本選手は2年という若手中心のクルーですが、S野選手以外はNRMではM8+主軸でしたので対校M8+同然の実力派です。特にバウの2年Y本選手は1年K橋選手にとって同じK西高の先輩でもあり2019茨城国体M4X+優勝クルーでもあったので、バウとCOXでツーカーの間柄だったはずです。
予選でC大には2秒差で敗れますが、敗復で修正しつつ、準決勝もぎりぎりの3着と決して順調ではありませんでした。しかしクルーは決勝で最高の漕ぎをする、そこに懸けていたと思います。決勝では、決して最初から無理しすぎることなく、しかし展開には乗り遅れないようにしっかり大きな漕ぎで、第2では第1からほとんど落ちない1'36-1'37という素晴らしいコンスタント。かなり第2でも攻めていたと思われるCOX・K橋選手、ここで完全に○TTとC電には力の違いを見せて振り切り、あとはT紡織とC大だけ。しかしここからがN大の本当の見せ場です。後半1000mが勝負というプランのN大、すでにT紡織より前に出てC大の半艇身、カンバスと喉元まで迫ります。ラストスパート!C大に一時は出ようとしますが、C大もロケットスタートを見せながらラストで驚異の粘りで持ちこたえる強みがあります。懸命に二段、三段スパートとN大を引き離そうとしますがN大も執念で食らいつき、最後の最後にわずかにバウボール差出て、歓喜の優勝を果たしました。僅かな差で明暗の分かれたN大とC大。しかし最後の優勝を手繰り寄せたのは、これまでチャレンジしてもずっと届かなかったK橋選手の思いの強さだったかもしれません。







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N大 T辺選手
N大1年 T辺S万選手
183cm79kg M方高出身
同じく、N大1年ルーキーからもう一人、インカレM8+優勝で大きくRisingを果たしたT辺S万(TANABE・SHOUMA)選手です。
NRMのM8+から3人がインカレM4+に移ったと言いましたが、4人がインカレM8+に新に加わりました。3年K田選手、2年I井T吉郎選手、そして1年ルーキーが2人、昨年の高校ナンバーワン選手M口T誠選手と今回ご紹介するT辺S万選手です。
M口選手については昨年のRising Starでご紹介していますので、今回はT辺選手ですね。
毎年M方高は強い選手ばかり輩出していきますが、今年の1年も、M方高はM1XのS原R翔選手だけじゃないんかい!と突っ込みたくなるほどM方高の強力2枚看板が揃ってN大に入ったのです。まあ、高校トップ選手しかいませんからね、N大は。
そして噂によるとまたO林さんがコーチとして関わっているので、今年インカレM8+優勝のN大、しばらくまた連覇が続きそうな予感がしますので、是非全国の大学ボートチームの皆さんで打倒N大に燃えましょう。N大は必ず跳ね返してきますけどね。切磋琢磨でハイレベルな争いをしていきたいですね。
そんなわけで、1年の戦力を育てながら勝つという理想的な戦力循環、新陳代謝を繰り返しM8+で育った選手がまた多くのインカレクルーの核となり総合優勝を狙える陣容を整え全てが優勝できるチームになっていくのですが、この中でもT辺選手とM口選手の1年2人は間違いなくM8+の中核を担い続けることでしょう。
N大のスタイルとしては、今シーズンはけっこうスタート抑えて後半勝負がかなりはっきり出ています。ライバルチームとしてはそこに付け入ってレースプランを立てるべきですが、コンスタント勝負できるならスタート無理する必要はないので、私もあまりスタート先手はこだわらない考えです。今年の全日本インカレ、決勝ではN大はたぶん社会人との勝負は度外視してインカレ優勝だけ狙ったレースしていたように見えます。K應大が最初から攻めてきて、N大はコンスタント勝負でじっと集中し、第3でW大とK應大をかわしたものの、レースの3番手Tレにスパートで迫るまでには至りませんでした。4着でしたがインカレ優勝が決まり歓喜のガッツポーズが出たことからも、N大は全日本優勝ではなくインカレ優勝、このタイトルだけにこだわったのです。当然ながら、本当なら全日本とインカレは別のレースだったわけですからね。
全日本を本気で狙うのは、来年以降でしょう。T辺選手、M口選手が大きく成長した来シーズンこそ、全日本M8+への真のチャレンジが始まると思います。○TT、MY生命、TレもN大の成長力に最大限の警戒が必要だと思います。







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W大 M並選手 W大FB
W大1年 M並D智選手
179cm77kg N津東高出身
W大が久しぶりのインカレM8+準優勝!そのピースのひとつとなったRising Starは、1年ルーキーのM並D智(MATSUNAMI・DAICHI)選手だったでしょう。WKレガッタの敗北を受け、まれに見る僅差で名勝負とはなりましたが、インカレM8+優勝のためにクルー変更がされ、3年のO智選手と1年のM並選手が対校M8+に選ばれました。
W大1年には毎年U19代表のようなトップの選手が加入していますが、その1人でK茂高のT植Mつる選手もいますが今シーズンレースに出ていないようなのでおそらく怪我などがあるかもしれません。T植選手は中学生で6'44という13~15歳までのエルゴ日本記録を持っていますが、M並選手も高校ですでに6'36のエルゴ記録を持っており、名門N津東高の次世代スター候補として将来を期待される選手だと思います。もうすでに6'30を切っているかも知れませんので、W大対校M8+でもメインエンジンとしてじゅうぶん活躍できますね。実際、この全日本インカレのW大M8+はエルゴだけで決まったそうです。もちろん水上パフォーマンスの前提もあると思いますが、エルゴだけで決める選考もあります。
大学に入り、トレーニングのおかげでエルゴがしっかり出せるようになってきた、また艇の動きもM8+に選ばれた当初は分からなかったがどんな動きをしているか感じられるようになり技術もついてきたと話したように、M並選手の上達とともにW大エイトもスピードがついていき、迎えた全日本インカレ。
予選ではS台大に敗れるまさかの出だしとなりましたが、全日本インカレは4日間の戦い、敗復回りからの優勝も全然珍しくないので修正に努めます。敗復はコンスタントに自信を持てる内容、H橋大に先着し勝負どころの準決勝。○TT、Tレ、M大、T大、D大という難敵が揃っていましたが、スタートから積極的に来たT大と競りつつ、M大には第2、第3で出られ4番手を進む苦しい展開、しかしM並選手はじめ後半にパワーを発揮しクルーがひとつになってラストスパートではTレに迫る勢いでM大を逆転、見事インカレ3位以内を確定し決勝を決めました。
決勝では第2で一時は大学の先頭に立つも、後半勝負のN大にかわされ出し切りましたが1艇身差の2着。久しぶりのインカレM8+2位となりました。
W大M8+のチャンスはまだ来年があります。M8+メンバーの7人が残るからです。N大は今年より強力になり、そして永遠のライバルK應大も来年が最強であることは間違いありません。他の大学も挽回して来シーズンはさらに激しい争いになる。しかし、陸上パフォーマンスも水上パフォーマンスも高めて、M並選手はじめ多くの若手の成長も果たして、来年こそW大M8+優勝を。







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K應大 N村選手
K應大2年 N村S人選手
179cm72kg  K應義塾高出身
今のK應大には多士済々、無限に湧き出る人材の宝庫といえます。その中の一人、N村S人(NAKAMURA・SOUTO)選手は2年生です。
新勧で集めた未経験者と付属高の経験者を中心に80名以上の大所帯を一時は数えたK應大でも、コロナ禍では部員獲得がうまくいかず現在の2年生の代はわずか5人のようです。しかしその2年のN村選手は未経験として大学からボートを始めたにもかかわらず対校M8+に選ばれていきなりインカレM8+3位に輝きました。初めてのインカレでRising!
K應大の未経験者は、多くのチームで見られるように色んな競技歴、さまざまなバックグラウンドを持った選手がおり、今年3年で主将となったI田S之介選手は野球で活躍、女子主将となったI地知選手はプラチナキッズというスポーツ育成プロジェクト出身でスケルトンで活躍ということで1年のときにこのRISING STARシリーズでご紹介させていただきました。
N村選手は水泳、陸上、ボクシングとさまざまな競技歴だそうで、特にK應義塾の高校時代はボクシングで全国選抜ベスト8と活躍されたそうです。ボクシングで全国レベルとなった中で、高校でおこなったスポーツテストの結果ではボート競技を勧められたことが、大学で未知のスポーツであるボートの世界に飛び込むきっかけになったそうです。
しかし1年目からコロナで次々と中止になる大会、2020年にボート部に入った未経験者にとっては、モチベーションやレース経験という点で経験者とは比べものにならないくらいの試練が続きます。N村選手はしかしこれまで培ったフィジカルの高さも生かし、ボートを漕ぎ始めたった1年でWK戦のセカンドエイトのシートを掴みます。周りはほとんど経験者の先輩でしたが、お花見では決勝に進み対校エイトともわずか4秒差の5位に健闘、S台大のセカンドエイトにまで勝利しました。S台大のセコはインカレ優勝するような力がありますからね。しかしWK本番ではラフコンの中でW大に敗北。対校エイトの劇的勝利の裏で、隅田川で涙を飲みます。その悔しさを胸に、1Xにも積極的に向上をめざすN村選手、エルゴも伸びてついにインカレ選考では対校M8+に選ばれるまでになりました。
インカレ予選では3番で迎えたN村選手、しかしライバルW大にスタートから出られ敗復は無事上がりますが、勝負どころの準決勝で、どうやらレース結果を見るとK應大M8+はシートを変える賭けに出て、N村選手はバウにチェンジ。エイトのバウは大変難しいシートですが、これでリズムにつながりと水中への専念が生まれたか、N大の前でMY生命にぴったりついていくレースが展開でき、3着で決勝を決めました。初めてのインカレで、初めての決勝。
全日本インカレの決勝は、前述のとおりK應大はN大とW大に対し先制することができましたが、コンスタントと後半の逆転にあい、最後はやや水をあけられ悔しいレースとなりました。しかし、2年未経験のN村選手も乗ってのインカレM8+銅メダル、誇るべき結果です。
2022年K應大は、間違いなくさらに強いエイト、強いチームに成長しているはずです。その中心に、N村選手がより存在感を増して力強いRowingを見せてくれていることでしょう。







RISING STAR~FILE 28
K應大 K山選手
K應大1年 K山M樹選手
180cm85kg K應義塾高出身
人材の宝庫K應大からもう一人、1年K山選手M樹(KOUYAMA・MIZUKI)選手を選ばせて頂きます。KAMI山さんではなくKOU山さんですね。直接K應大さんから聞けなかったので完全に想像と憶測で書いてしまうことをご容赦ください。現在、監督さんもKOU山さんなので、最初監督の息子さんなのかなと思いました。K應大にはKOU山さんが何人かいらっしゃるのです。
おそらくですが、1994年の華々しいK應大のインカレM8+初優勝のメンバーだったK山H樹さんの息子さんなのではと思われます。そして現監督のK山A弘さんはご兄弟でK應大端艇部かと。ボート一家で親族K應大端艇部のサラブレッドです。もし間違いでしたら当ブログにご指摘頂けると幸いです。
※追記:さっそくご指摘をお寄せいただきましてありがとうございます。1994年インカレ優勝エイトのK山選手と監督のK山さんは同じ方で、のちにお名前が変わられ現在はK山R弘(KOUYAMA・RYOUKOU)監督だそうです。なので今回K山M樹選手はやはり監督の息子さんとのことです。ちなみに、お父さんのK山選手は1994年インカレM8+優勝の翌年、1995年全日本M2-も優勝されているK應大のエースでした!

1994年インカレ、まさにK應大のインカレだったんですよ!K應大はインカレM8+優勝、インカレM4X2位にはじまりM4-優勝、M2-優勝、M2+優勝の4種目優勝です。K應大、大ブレイクのシーズン!!
この年のインカレ、よく見てみたら色々と面白く、めちゃ熱いインカレです。K應大の4種目優勝のダントツ総合優勝もそうなのですが、たくさんの国立大や未経験が活躍しました。インカレM8+決勝ではもちろんK山選手の乗るK應大がC大を終始1艇身離す劇的なインカレ初優勝、これが一番のハイライトです。やや逆で5'59の優勝タイム。

1994 月刊漕艇340号より
1994年月刊漕艇340号より

これだけ見ても、インカレ好きな読者の方々、楽しんでいただけると思います。
K應大が前年優勝C大とライバルW大をおさえてのインカレM8+初優勝、そしてT工大も決勝4位になったのは特筆です。しかも準決勝でN大を第3で突き放しての決勝進出。以前、T工大のインカレM8+最高位は5位と言ってしまったかもしれません、お詫びして訂正いたします。調べればメダルもあるかもしれません。T工大が強いのは納得ですが、インカレM8+6位にK州大!!最終日の順位決定でT北大とM大に勝ち、N大にも1500mまで出ている胸アツ展開。インカレM8+最終日ですからね。そして7位のT北大が翌年には創部100周年でインカレM8+優勝するという。N大はこのとき第1次O林政権ですしね。C大はコーチA部さんですし。

他にも、M4+決勝はG習院大が決勝4位でC葉大が5位とか(出漕は62大学)、M2X決勝にH海道大水産学部4位とか、M2-決勝でK應大と優勝争いをしたS賀医科大が2秒差1艇身で2位銀メダルとか。ちなみにC葉大はM2+銅メダルです。
女子はW1X2位がT北大、4位にT京水産大(現・K洋大)が入ってます。W2X3位に今はボート部のない名古屋市のC京大ですね。

さて、こうしたK山選手のように、K應大は血縁関係のある方々のボート部多い気がしています。R大OBにも2人、いとこの多くがK應大ボート部だったという人がいます。そして親子二代でボート選手というパターンですよね。K應大3年にはH橋大ヘッドコーチでソウル五輪に出たN村さんの息子さんのN村E人(NOMURA・EITO)選手がM8+7番でしたね。今回Rising StarのK野上選手も父子でトップスカラー。
そして、今回のK應大のK山選手は、父親が監督で子が父のチームでボートをするというパターン。例えばH内K太郎さんのT北大でのH内Tさん。W大では今年勇退されるU田D介監督は娘さんもW大漕艇部でインカレ優勝の活躍、そして息子さんのU田T大選手はW大でお父さんが監督のもとインカレM8+優勝し、今年は○TTで全日本M8+優勝。W大は新監督のK目田さんも、お父さんがW大監督だったと思います。C大にはM口K太監督のもと、娘さんのJ華さんとS華さんがボート部で活躍をされています。このほか、こういった親子、親族でのボート部つながりは、兄弟・姉妹だけでなく今後も常に多く存在し続けそうな気がしています。ボートが魅力あるスポーツと言うだけでなく、ボートによって育つ人格が評価されているところもあるのではないでしょうか。親に言われてボートやっているのでなく、子が親のボートへの関わりを見てこの世界に入ってくるケースが現代の形かもしれません。

さて、K山選手に話を戻しますと、K應義塾高でボートを始めたという経験者、1年ながら今年のインカレではM4-に選ばれました。ストローク4年のT上選手、3番に2年でN村選手と同じく少ない代の未経験・M本選手、そして2番に1年経験者のK山選手、バウに3年未経験のA利選手です。K應大M4-は本番1カ月前の学連TTではいいスピードを出していましたが、予選ではレース展開に乗れず最下位5着からの発進。敗復で強豪のS台大とM大に競り勝ち、準決勝でまたしてもスタートから乗り遅れ、悔しい6着に。しかし順位決定、今度は一転し素晴らしいスピードでC大の二番手につけ、それによってコンスタントも最高のリズムを作って、未経験M本選手も1年K山選手もミドルペアとして最高の漕ぎでM4-を進めることができました。ラストは正確なイーブンペースでアタックしてきたN大にかわされてしまったものの、C大とT北大のものすごいスパートをおさえて2着、インカレM4-5位と、男子セカンドクルーとしてインカレM8+3位に次ぐ成績をおさめました。
M4-の3人、間違いなく来年対校M8+の有力候補です。その中でも1年のK山選手はお父さんと同じくインカレM8+優勝の中核ポジションをめざして、さらにRisingを果たしていくK應大期待のルーキーです!







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M大 H野選手
M大2年 H野K稀選手
176cm72kg K本学園大付属高出身
毎年素晴らしい選手を輩出する強豪高校はいくつかありますが、この高校も素晴らしいチームですよね。チームK学、熊本県のK本学園大付属高校です。現大学2年にも多くのK学出身者が大学でも続けていると思いますが、M大の2年にはK学出身が3人もいます。以前も当ブログで紹介しましたが、同じ高校出身者が同じ代に何人もいると、固い結束とチームへの影響力が増し、強いチームへと化学変化を起こす中心になることがありますね。M大2年、K学トリオはH野K稀(HIRANO・KOUKI)選手、N山Y貴(NAKAYAMA・YUHKI)選手、W田Y大(WADA・YUHDAI)選手の3人です。そしてさらに2年の熊本県出身者はT坂K志(TOHSAKA・KENJI)選手もおり、熊本カルテットといってもいいですね。いずれも昨年全日本M4X4位やインカレM4X2位、インカレM2X6位など優勝争いに絡んでおり、今後のM大の中心になる存在です。このほかに、H田選手、Y本選手、O竹選手とトップ選手が揃っており、M大の2年男子7人は、未経験大学がコロナ禍で少数に減る中で反則といえるくらいに全国トップと言える強力な学年だと思います。

その2年の代、昨年活躍したH田選手、Y本選手とともに、H野選手がインカレ対校M8+に選ばれ、しかもH野選手はストロークに抜擢。ずっとM大エイトを引っ張ってきた4年K畑選手とストロークペアを形成することになりました。プレッシャーもあったと思いますが、「去年以上にチームの勝ちにこだわりたい。期待もされていると思うが気負いすぎず、思い切って臨みたいです」と、昨年のインカレM4X準優勝を超える意気込みで全日本インカレに挑んでいきました。

しかしM8+はやはり一筋縄ではいきませんでした。
予選では宿敵N大やMY生命などと当たり、N大に対しては後半の攻めを予期していたでしょうが第2で早くも出られ1艇身半の差で敗れます。敗復を通過し勝負の準決勝では決勝に進める3番手でW大に1500mまで出ていながらラストでW大の爆発的なスパートに差されてしまい、ここ一番での準決勝突破の難しさを痛感する結果となってしまいました。しかしながら、Final Bでは昨年優勝S台大に対し終始デッドヒートを繰り広げて競り勝っての1着、インカレM8+4位となりタイムも素晴らしくこのレース結果にはストロークH野選手もベストの漕ぎができたことでしょう。
M大が再び対校M8+でインカレ制覇に動き出した2016年から、インカレM8+は2位、2位、5位、3位、3位ときて今年は4位。常に優勝を争いながら、M大があと一歩の優勝を実現するために。栄光のインカレM8+初優勝を成し遂げるために。H野選手を始めとした、最強の2年の代全員の働きなしに、紫紺のエイト覚醒を呼び起こすことはできないのです。







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D大 S村選手 ユニバス
D大1年 S村K希選手
188cm90kg  K本学園大付属高出身
D大の大器、S村K希(SHIMAMURA・KOUKI)選手もインハイ決勝常連であるK本学園大付属高出身の1年生、黄金ルーキーです。
M大2年のK学トリオの先輩たちのように高校で輝かしい成績を残すはずでしたが、日本一をめざし練習に励んできたものの高3のシーズンは全国選抜、インハイ、国体がすべて中止となり、K学はインハイ代替大会には参加できなかったといい、不完全燃焼で高校ボートを終えたということです。しかしこのままで終わりたくないという気持が芽生え、少しずつ経験者が増え始めているD大に進学することに決めたのです。
188cm90kgという将来の日本のオープンにとっても申し分ない体格、高校時代からエルゴランキングではトップレベルであり、D大では当然のように1年目からいきなり対校M8+の3番に選ばれ、今年のD大エイトの平均は180cm79kgとなりました。
しかしながら、M8+となると8人の漕手の漕ぎとイメージが揃い、スイープの動きもしっかりテクニカルに艇を動かしていかなくてはいけません。関西選手権では遠征してきたH橋大を僅差で差して優勝したものの、全日本インカレではFinal Bに回り今度はH橋大を差しきれずインカレM8+8位と、エイトとスイープの難しさを知った苦い1年目となったかもしれません。とはいえ、「スイープ技術がなかなか向上しない」と言いつつも、しっかりと順応し真ん中から強力なエンジンの役割を果たしたS村選手。今後は5番や7番をめざし、来シーズンはD大の若きエースとして、熊本出身の数少ないオープン選手として自身が大学の目標として掲げる全日本新人優勝、インカレ優勝に向けて、そのパワーを遺憾なく発揮してほしいと思います。







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T北大 U田選手2
T北大2年 U田S太選手
176cm74kg H松北高出身
インカレで強い国立大、T北大は大学からボートを始めた未経験者が多い、私の言うところの未経験チームというイメージですが、各学年に経験者はいます。2年生男子は2人、1年生男子には3人いますね。この中で2年ながらエースとして今後T北大を引っ張る存在になると確信するのは、U田S太(USHIDA・SHOUTA)選手です。
U田選手、実はボート歴8年ということで静岡の名門、I野中~H松北高で活躍し、2019全日本ジュニアでは1Xでベストタイム7'40も記録している実力派。しかし、T北大に入り今シーズンさらにRising!を果たしたのです。
中学、高校とずっとスカルやクォドを漕いできたU田選手は、大学2年の今年ボート歴8年にして初めてスイープに本格的に取り組みました。スイープの練習が楽しい、学ぶことが大量にあって練習すればするほど良いイメージができてくる感覚は久しぶりだったと言います。スイープ技術も一気に伸ばしたのですが、この自粛のシーズンでエルゴも一気に伸ばし、インカレ前の9月に6'30切りをついに果たしたそうです。しかも何と体調不良と怪我のブランクが4カ月間もあって復帰3週間で大幅ベストを出したというのですから驚きです。

こちらの下記URLのT北大ブログにそのカギとなる秘訣が載っていますので、エルゴを伸ばしたい方はご参考に。ただしU田選手はすでに高校時代に6'40台を出していますのでそのへんを踏まえての内容です。でも6'30切りはトップ選手への関門ですからね。素晴らしい。
http://buin.jugem.jp/?eid=1773

しかし、半年足らずで69kgから79kgまで体重増やすとは・・・。前回のブログで6'30切りますと言って有言実行なのもすごいですね。中学からのキャリアの長いボート経験、体格は標準ながらハイレベルなエルゴとテクニックが同居するスカラー、そしてジャニーズっぽい雰囲気、色々とT北大としては異色な感じもありますが、理論と分析のボートマンということでこのへんはT北大のDNAがしっかり息づいている選手だと思います。
インカレM8+の5番としてついに大舞台に臨みましたが、まだまだ求める艇速にはこれからという印象。スイープもスカルもマスターして、代表まで狙える選手として大学で最もRisingできるよう、さらなる上昇を期待しています。







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R大 K瀬選手
R大1年 K瀬N晃選手
177cm70kg 都立K場高出身
2021Rising Star、最後にご紹介するのはやっぱり未経験者、R大から1年のK瀬N晃(KAWASE・NOBUAKI)選手です。R大の1、2年は全員Rising Starの候補、その中でも1年のY田Y恒選手は念願の日本一、全日本優勝し飛び抜けてRisingしました。しかしながらすでに2年前に紹介しているため今年は対象外、今年特に1人だけということでK瀬選手を選ばせていただきました。
この4月にボートを始めたにもかかわらず、インカレ出場のエルゴ基準をしっかりクリアして1年ながらM1Xに出漕を果たしました。女子編でも言っていた、1年未経験がインカレに出るレアケースですね。しかもエルゴをクリアして出漕した大学生32名のうち、M1X大学タイムトライアルで何と17位に入り、タイムのやや出にくいコンディションで7'50をマークしました。まだまだ1年目特有の小さい漕ぎで、大きく漕げるようになるのはこれからであり、1年目の成績というのはあまり参考にはならないものですが、素質の片鱗を見せたには違いなく、2レース目となる木曜の全体タイムトライアルではいいところが出せず敗退してしまったことも含めて今後の経験になったのではないでしょうか。しかしインカレ2レース目で負けてしまったため、3日後のインカレ最終日に2年の先輩W氣選手とエルゴ2000mを引き、さらにベストの6'39を1年目にしてマーク。6'40を出したというW氣選手に大接戦の末わずかに競り勝ったということです。さらに伸ばして、2年目でインカレ対校をめざし体力も技術も精神も、レース経験もこれからです。
K瀬選手は都立K場高校ではサッカー部で頑張っていたということで、R大の都立高校サッカー部出身者の先輩たちはたくさんインカレ優勝しているので、後に続いてさらに大きくRisingしてほしいですね。
今年のR大1年、コロナ禍だったとはいえ、ほとんどがオンライン新勧の賜物で高3の早くからR大ボート部を知って、R大に入ったらボート部と決めていたという1年生ばかりでした。また、都立K場高出身は3年K地選手、3年K岩井マネという先輩がおり、さらにK瀬選手を熱烈にボート部に誘った同期、N羽選手もいます。N羽選手がR大ボート部に心を掴まれなければK瀬選手が入ることもなかったかもしれません。未経験チームの中には、高校ではボート部に全く縁がないのに大学でボート部に入った先輩が多くいるから入る、という特定のラインができあがることもありますね。T大、H橋大、T北大などはボート部のない同じ出身校、たいへん多いです。そんなことも大事な縦のつながりかもしれませんね。
R大は今シーズンは経験者の大きな成長が新たな飛躍につながりましたが、未経験者も着実に成長しています。来年は全体が気魄に溢れたシーズンとなるように。大きく伸ばして、満天の空に晃り輝くTop Starとなるように。







また一人、若き星がきらめき始め、そしてまだ見えぬ輝きもたくさんの星々が強く輝く、光が私たちの目に届くその日を待っているのです。
未経験でボートを始めた2年目、1年目。さらには経験ある多くの星々が強く輝いた年でもありました。これらの星たちが輝く日、天に上るRisingの瞬間を待ちわびています。そして今回は2年目までに限定してしまいましたが、来シーズンの主役は今の3年目です。この3年目が強く輝くことで他の光も輝きを増すのです。




いかがだったでしょうか、2021 RISING STARシリーズ。

もっとふれたい選手は本当にまだまだたくさんいます。少ししかふれることができなくてすみません。
そしてやや偏っており、ふれられなかったチームの方には申し訳ありません。あくまで一部の選手、一部のチームということになりました。
ネットで調べることのできる情報にも限りがありますので、そのへんの兼ね合いもありますがまた他のレース記事とかでふれられるといいですね。

未来のRISING STARめざして、冬の星座の見守る中、朝練も夕練も暗い中ですが星の光が天空いっぱいに豊かな冬のシーズンに何度も生まれ変わり、光を強く強く、輝かせてください!!
大きく、高く、Rising!!






そしてボート界は、2022年の戦いの幕が開けようとしています。

2021年、今年も当ブログを読んでいただきありがとうございました。2022年もよろしくお願いいたします。










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お待たせしました。2021 RISING STAR、続きまして今回は男子編です。

高校生男子7名、大学生男子13名の一挙20名を紹介!
長編ですので何度かに分けて少しずつ、年末のあいた時間にゆっくりお読み下さい。


※最初は一挙20名を掲載したのですが、やはり長いので、改めて高校生男子の中編、大学生男子の後編に分けました。
ブログ1回分の長さはこれくらいまでがいいでしょうかね!




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H松西 U山選手 中日新聞しずおか
中日新聞しずおかWebより写真掲載
H松西高3年 U山E翔選手
183cm
今回のRising StarはまずインハイM2X3強をご紹介していきます。
トップバッタ-は今年の静岡ボートの主役を担った男子ダブル、H松西高のM2Xです。バウの3年・U山E翔(UCHIYAMA・EISHOU)選手とストロークの3年・O.W(OKI・WATARU)選手のコンビ。全国選抜M2Xで0.4秒差の2位、そして優勝をめざしたインハイM2Xはさらに僅差の0.2秒差の2位。しかし、誇れる銀2つを獲ったM2XはH松西高として創部以来のクルーボート最高順位を果たし、全国にH松西ありを見せてくれました。
H松西M2Xの2人はどちらも3年生、ストロークのO選手は中学ボートの強豪I野中でボートをはじめボート歴6年、173cmで水を掴む感覚に優れたセンス抜群テクニカルなタイプ。そしてバウのU山選手は中学までテニスをしていましたが限界を感じ高校でボートを始め、183cmの長身で相方に「怪物」と言わしめる人並み外れたパワーが持ち味のパワフルなバウです。U山選手のパワーをスピードとして乗せるO選手とのコンビネーションは抜群で、このぶっとびスタートを武器に全国選抜では前半500mは1'34をマーク、この身長差コンビはシンコビッチ兄弟、あるいはデンマークのクイスト&ラスムッセンのLM2Xを彷彿とさせるスピードM2Xです。
地元静岡の天竜での全国選抜、決勝でスタート1'34でぶっちぎった緑のM2X・H松西はライバルK西高とS田工に水をあけますが、後半伸びてきたS田工とラスト激しい一騎打ちとなり最後は競り負け悔しい準優勝でした。そして夏に向け厳しい練習を積み迎えたインハイ、ライバルはやはり全国選抜と同じ相手、S田工とK西高との3強対決。今度はスタートを猛練習してきたK西高にカンバス出られ持ち味のスタートで優位をとれない苦しい展開、S田工も伸びてきますがここ一番の粘りを見せたK西高をバウボールかわせず0.2秒差の準優勝。
2度の全国2位、しかしH松西はこれまでM1Xで全国選抜優勝(1994)、W1Xでインハイ優勝(2018)があるもののクルーボートで優勝を争うクルーはこのU山選手とO選手のM2Xが初めてとなり、全国2位は最高の成績となりました。
H松西はW2Xでもインハイ3位となり、チームとして大きなRisingを果たしたのです。H松西ボート部の掲げるスローガン「異艇同心」は、「異なる艇でも同じ志で臨む」ことを意味する言葉だとのことで、まさに違う艇に乗っていてもチームで同じところをめざし手にしたメダルは、これからますますチームとして強くなるための自信となって輝くはずです。







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K西高 I川選手
K西高3年 I川S伍選手
そのインハイM2Xで見事優勝したのは、K西高ダブル、ストロークの3年・I川S伍(ICHIKAWA・SHUNGO)選手と3年・T橋A生(TAKAHASHI・AIKI)選手のクルーでした。
全国選抜M2X決勝ではH松西の飛び出しとS田工の信じられない中盤からの伸びにやや出られこの2クルーとは2艇身差の3位。そしてライバルと同様、同じ2人でインハイに挑み、今度はスタートから勝負に出てH松西のロケットスタートよりさらに高いスピードを出しそのまま逃げ粘り、ラスト100mにまさかの腹切りのミスも出てしまったことで追いつかれ並んでゴールしましたが、わずかにバウボール差での優勝。
「春の敗北を夏に巻き返す、捲土重来のK西高」を体現して嬉しい優勝となりました。
しかしここに辿り着くまではやはり波瀾万丈のシーズンとなりました。全国のチームと同じくコロナで活動は制限される中、多くの支えの中で順調に強くなったK西高は、全国選抜でM1X5位、M2X3位、M4X+2位とすべて決勝というチーム力を見せました。・・・のはずが、M4X+はゴール後レーン侵害の判定となり除外となってしまったのです。悔しいクォドメンバー、さらに試練は続き、除外とはいえ実力では全国2位だったM4X+が5月末のインハイ県予選でまさかの敗退、県内のライバルO山東商に敗れてしまったのです。5年ぶりクォド予選敗退、かつて国体6連覇を果たしたあの最強K西高がまた苦戦するシーズンになるのか。そんなチームメンバーの悔しさを晴らすべく、M2XのI川選手、T橋選手は選抜の悔しさを晴らすため死に物狂いで練習し、M1XのY田選手も同じように日本一をめざしていました。
インハイに至るまでも、体調を崩して漕げなくなったりすることもあり、国体の中止もありました。そして最後の最後で決勝のゴール前で腹を切るなど最後まで波乱の連続でしたが、最後に勝つK西高を見せてくれたのです。M1XのY田選手は4位でしたがこちらも全国選抜よりも順位を上げました。K西高のインハイ優勝、実に10年ぶりのことだそうです。
岡山ボート、高校ボートを引っ張ってきたK西高。敢為の精神、最後に勝つK西。また来シーズン以降もライバルとの争いは激しくなりますが、強いK西が復活の狼煙を上げました。
「高校で始めたボート、最初はチームで自分が一番下手でした」と振り返るI川選手、しかし最後の最後にチーム10年ぶりとなるインハイ優勝、日本一を掴んだのです。







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S田工 W田選手 中日新聞サイトより
中日新聞サイトより写真掲載
S田工業高3年 W田H人選手
大学ボートはいきなり全国の大会に出られるので学校同士の戦いというイメージですが、高校ボートは都道府県という地域同士の戦いというイメージです。全国選抜の枠は各地区の出場枠が定められ各種目24クルー程度、国体はこちらも地区ブロックごとの枠を争い地区ブロック予選を勝ち抜いた中で各種目20クルー程度が全国に出られます。そしてインハイは47都道府県全部出られますが、都道府県予選を勝ち抜いたクルーが全国に出場できます。
インハイでは同じ都道府県の各校は全国への切符をかけたライバル同士ですが、各都道府県は強化と普及を目的としたボート協会がそれぞれあり、おもに高校の先生方が協会に参画、運営しながら、国体などでは選抜クルーを組んだりして一致団結、都道府県ボートを強くしようという一体感や協力体制が作られます。強化合宿をさかんに組んだり、勉強会や情報共有したり、同じ水域の交流などがあって、違う高校同士でも同じ県出身なんかだと応援しようという地元意識がありますよね。そして、地元新聞など地域のマスコミによる注目や応援があります。
そんなことで前置き長くなりましたが、高校ボートの有力クルーはけっこう地元新聞の記事に取り上げられることが多いので、私も高校ボート選手の情報を調べるのにお世話になっていたりします。
今回ご紹介のW田H人(WASHIDA・HAYATO)選手も、こんな感じで色々取り上げられています。先ほどのH松西、K西も地元では同様です。
https://lakesmagazine.jp/2021/12/11/2021-11-05/
https://www.chunichi.co.jp/article/116845
https://twitter.com/eradio_official/status/1352452535236218882
こんな感じで少なくとも県ボート界隈では有名になりますよね。

滋賀県のS田工業高は言わずと知れた高校ボートの超名門。前年もM口T誠選手というU19代表を輩出しましたが、今年もその1学年後輩のW田選手が選考を勝ち抜き見事U19代表に選ばれました。そしてインハイに向かうのは、ストロークの2年・M口Y希選手と3年・W田選手です。この2人、S田中でもダブルを組んでいたということで抜群の相性を誇り、今シーズンの本命のはずでした。昨年も同じコンビでインハイ代替大会M2X2位。0.4秒差でお隣京都のH舞鶴高に届きませんでしたが、春の全国選抜では鋭い後半の伸びでH松西を差して優勝、全国タイトルを勝ちとります。夏も得意の後半勝負で二冠を獲りたいところでした。
しかし。すでに何度も繰り返しているように、インハイM2X決勝はK西高とH松西が抜け出して、U19のW田選手の乗るS田工はスパート届かず3位となってしまいました。
しかし、春は優勝、夏は無念。2つの喜びと悔しさを味わい、そしてU19として挑むはずだったアジアジュニアもなくなってしまい、大きな心の成長と課題を残した2021年シーズン。来年はまた新たな大学ボートの挑戦で、W田選手の「本当の勝負」が始まることになるでしょう。エルゴベストは6'29でまだまだ伸びしろは遥か彼方に、S田の荒鷲が大学ボートで大きく羽ばたく。







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I治北 K上選手 愛媛新聞ONLINEサイトより
愛媛新聞ONLINEより写真掲載
I治北高2年 K上T海選手
さて、今度はインハイM4X+で最強M方高に挑んでいって、準優勝を果たしたI治北高の主力。高2で来シーズンの高校ナンバーワンの座をねらうこの人、K上T海(KAWAKAMI・TAKUMI)選手です。現在11月の20分エルゴで5734mで全国1位をマークしましたが、5800m超えの記録も持っているK上選手は同じ愛媛のO山選手の持つ5908mまで見据えてどんどん伸ばしてほしいですね。
K上選手は全国選抜ではM2Xで出場し、先ほどの3強、S田工、H松西、K西に次ぐ4位となり全国決勝を経験しました。といいますかK上選手、12月のU19をめざすエルゴ2000mT.Tで6'43だったのに、2月にはなんと6'29をマーク。高1なのにですよ!?この驚異的な成長は、まさにRising!にふさわしい一気の伸び。全国選抜4位、そしてU19選考にはあと一歩で選ばれませんでしたが、間違いなくこの成長率なら2022年はU19トップで選出でしょう。
チーム全体としても、全国選抜にM4X+とM2X、W4X+とW2Xの4クルーを送り出したI治北はチームとしても急成長を遂げています。そしてインハイ、K上選手の乗るI治北はM4X+を対校として挑戦し、最強のU19代表の2人を乗せたM方高に前半500mこそ逆カンバスで出られますが、後半も水のあかない1艇身で2着、準優勝に輝きました。このままK上選手とともにどんどん成長して、インハイ男子では2004年のM2X以来、4人乗り以上ではフィックス時代の1961年以来の優勝も夢ではありませんね。
K上選手の光り輝く才能も素晴らしいのですが、I治北の躍進も注目です。この理由には、最近、おそらく去年あたりなのか、M山東から異動になったT岡先生がI治北の顧問になっているようなんですね。1993、1994年の元世界ジュニア代表でU和島東高~N体大という、実は私と同期に当たる方なのですがT岡先生は地元愛媛に戻られ古豪M山東を全国の強豪校に育てた高校ボートの名将です。この名指導者にして元ジュニア代表が、現在のジュニア代表を育てる。I治西のI手先生もそうですが、強豪校には必ず名指導者がいますから、愛媛がボート王国なのは多くの名選手のOBが指導者として多く関わっているからに他ならないのです。
I治西のI手先生とI治北のT岡先生については、当ブログ「世界ジュニア50年史シリーズ」でふれていますので、興味がある方は超大作ですがご覧下さい。
「世界ジュニア50年史① 1970年代~黎明編」 I手先生は1974~1976

「世界ジュニア50年史② 1980年代~風雲編」

「世界ジュニア50年史③ 1990年代~飛翔編」 T岡先生は1993~1994

「世界ジュニア50年史④ 2000年代~怒涛編」

「世界ジュニア50年史⑤ 2010年代~勇躍編」






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H田高 N島選手
オー!エス!大分スポーツサイトより写真掲載
H田高3年 N島K大選手
180cm76kg
こちらも2021年のU19代表に選出された、大分県H田高のエース、N島K大(NAKASHIMA・KOUTA)選手です。
中学ではバドミントン部だったというN島選手は、中3の春休みにH田高のボート体験に参加し、「自分の能力を生かせる競技に出会った」と、高校からボートを始めたそうです。受験もH田高をめざし、晴れて入学しボート部に入部すると、O川先生の指導を受けるようになります。1年生の時から初心者ながら部内上位の記録を出すと、O川先生は才能を感じシングルスカルに乗せることを決め、1Xで日本一をめざす3年間が始まりました。秋の県新人、九州新人でも優勝し、高1で早くも有望発掘の育成メンバーにリストアップされますが、全国デビュー戦になるはずだった全国選抜がコロナで中止、そして夏のインハイも中止となり全国での位置が分からず、学校も休みになった期間が続きました。しかしそんな中でも「できることは限られましたが、筋力と体力だけは維持しようと自主練しました」と、この期間に取り組んだ基礎体力がのちの飛躍につながります。
2021年になりようやく出場できるようになった全国選抜では、期待に違わぬ強さで決勝に進みますが、決勝では高校エルゴナンバーワン、M山東のO山選手に徐々に離され2艇身差で敗れるものの、全国2位となり自信を手にしました。そして4月のアジアジュニアのU19代表の座をかけた選考レース、2000mタイムトライアルでは全体トップの7'32を叩き出し、並み居る強豪を押しのけて一躍U19の最右翼となり、選考レース決勝でも1着ゴールを果たしついに代表に選ばれる目標が叶ったのです。
残るは1Xでめざしてきた日本一。インハイに挑んでいきますが、順調に勝ち進んだ決勝で対戦したO山選手相手にカンバスリードで優位に進めたのですが、その1艇身前を走るのはスタートから勝負をかけた都立K北高のS目選手。代表選考レースでは勝っていた相手に、まさかの大勝負を挑まれてそのまま逃げ切りを許し、全国選抜に続いて2位と、結局目標の日本一には届きませんでした。
しかし、N島選手の目はすでに次を向いています。「大学では日本一をめざす」と語るN島選手、磨けば光るダイヤの原石というそのポテンシャル、U19代表という器にはまだまだおさまりきらないくらい広く大きく、強い輝きなのかもしれません。







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K北高 S目選手
東京新聞Webより写真転載(ご本人提供)
都立K北高 S目M直選手
今年のインハイM1X、前述のN島選手やM山東の高校生エルゴ歴代トップ6'19のO山選手ら超強力なライバル相手に見事優勝し高校チャンピオンになったのは東京都のS目M直(SAWAME・MASANAO)選手です。S目選手も見た目軽量級ながら高2の2月に記録したエルゴ6'26という数字が超高校級であることを物語っています。
戸田でのレースにも頻繁に出漕されるので以前から私もお名前拝見していましたが、S目選手は中2でボートを始めたそうです。幼い頃からスポーツが得意で、中1のときに「東京都トップアスリート発掘育成事業」に応募。見事厳しい選考を勝ち抜き適性がボートにあると知ります。エルゴの値が良かったことに加え、「乗艇した時の風を切る感じが楽しかった」というS目選手はボートを選ぶことになります。S田川RC(SUMIDAGAWA、SRC)で練習を開始、なんと半年で全中でM2X優勝を果たしたそうです。
高校進学にあたり、数々の名選手を輩出し東京都でハイレベルなボートの活動をおこなう「チームK松川」に属することになりましたが、出身地である地元の「A立区が大好き!」と明言するS目選手、文武両道が伝統のA立区、都立K北高に進学します。K北高にはボート部がありませんでしたが、他の多くの東京の高校と同じく、S目選手がインハイや全国選抜に出漕できるように「1人ボート部」が創部されました。
1人で戦うシングルスカルですが、S目選手は「A立区とK北高校」を背負い、さらに「チームK松川、SRC、東京都、応援してくれている全ての人々への感謝・恩返しの想い」を抱いて、日々厳しいトレーニングに向かい、高3でついに全国選抜3位、そしてインハイでは全国の頂点に立ったのです。

そしてS目選手のもうひとつの顔。写真のように、S目選手はボートでもトップレベルで活躍するほか、やはり中学から始めた三味線でも全国準優勝の腕前なのだそうです。お母さんが民謡歌手でもあるということで、民謡を子守歌に育ち、幼少時から民謡伴奏の太鼓、日舞を習得しお母さんとともに舞台に立ってきました。そして中1で津軽三味線に挑戦、吉田兄弟の兄・良一郎さんに師事しめきめき上達。その腕前は芸歴5年以内の部門で準優勝をとるまでになりました。
朝練を終えて登校、学校から帰り午後練と厳しいトレーニングの後、家に帰り三味線の練習。津軽三味線の魅力を、「日本人の心に響く和の音色を響かせられるとこと」と語っています。
生まれたときは仮死状態というような半々の状態だったそうでここまで元気に育ってくれたこと自体がお母さんは奇跡だとおっしゃっているそうです。それが、ボートでも音楽でも多くの人々に感動を与えてくれる、人間的にも素晴らしく大きな人として育ったのです。「ボートも津軽三味線も、もっと多くの人に知ってほしい。オールと撥(ばち)の二刀流で魅力を伝えていきたいです。そして、ボートでは世界で活躍できる選手に、津軽三味線では世界を魅了する奏者になりたいです」と大きな夢を語るS目選手。
艇上でオールを握る姿も、津軽三味線を構えて撥を手にする姿も、精悍な顔つきで真剣勝負。力強いリズムと美しい漕姿、音色で、日本中いや世界中の観客をとりこにしていってください!
参考記事http://www.adachi-asahi.jp/?p=33609
参考記事https://www.tokyo-np.co.jp/article/129426
参考記事https://www.wacoca.com/news/454621/







RISING STAR~FILE 19
MaxBC K野上選手
S立学園高3年 K野上H人選手
168cm71kg
さあ、今年のRising Starsの中でも2021年新人王といえる方、いきなり高3で全日本4位という快挙を成し遂げたK野上H人(KITANOUE・HAYATO)選手です。
この人こそ、今シーズンいきなり大ブレイクを果たして一気にRisingを果たしたRising Starという印象がありましたね。
この選手は誰?みたいな謎のベールに包まれたところもあり、鮮烈なレース振りとともに表舞台で脚光を浴びた選手でもありますね。
全日本4位といいますか、前年インカレ王者のF井選手(S台大2年)、前年インハイ王者のS原選手(N大1年)をはじめ並み居る大学トップスカラーたちに勝ってしまった高3なのですから、インカレ優勝の先輩・T山選手がいなければ優勝してかもしれないわけで、ほとんどインカレ優勝にひとしいような素晴らしいそして驚きの結果だったと思います。
7月の国体関東ブロックでは3'30のスピードを見せ、そして10月末の全日本では初日タイムトライアル全体2位と決勝で7'23を2回マーク。高3にしてスピードも持久力も国内トップクラスであることを証明したわけです。

全日本レビュー記事でも少しK野上選手のご紹介をさせていただきましたが、今回はN野H志さんのインタビュー動画の内容からも多く参考にさせていただきました。リンクさせていただきます。
N野H志さんのインタビュー動画
スーパー高校生・K野上 H人選手登場!!

K野上選手、元々は水泳をやっていたそうです。3才から中3まで続け、200m個人メドレーなどの種目を中心に頑張ってきたそうですが、伸び悩みを感じ水泳を続けるか迷っていたところをN体大~○TTで活躍されたボート選手だったお父さんから「ボートをやってみるか」とすすめられ、地元淡路島から神戸に出てK戸BCでボートを始めることになりました。K戸BCも全国チャンピオンを多数輩出してきた名門でしたが、「どうせやるならボートだけに集中できる環境で」と思ったのでしょうか、なんと高2になった時点で単身戸田でボートをすると決めて、おそらくお父さんのつてでN体大ボート部で一緒に練習する環境に飛び込みました。
N体大での先輩たちとの共同生活、そしてN体大のS木先生の指導を受けこのハイレベルな環境で、真面目に取り組む性格で元々持っていた素質と水泳で培った体力が開花、まずは2020年東日本新人で優勝という実績もありました。(大学生にまじって3'40)
そしてこのとき全日本選手権に挑むN体大の先輩たちを見て、「自分も来年はこの舞台で漕ぎたい」と、高2にして早くも全日本選手権を目標に1年間を励む日々がスタートしたのです。この明確な目標があっての、1年後の決勝4位の快挙。決して偶然とか突然の出来事ではなかったわけです。
このあたりからも、高校ボートの部活としてインターハイや国体をめざすほとんどの高校ボート選手とは、生活スタイルも目標意識も全く違う高校ボート生活を送ることになるのです。

ちなみに、K野上選手の所属する○axBCは、N体大のS木先生が創設したチームとのことです。創部はなんと2020年8月、創部1年で全日本4位を果たしたということですね。
創設兼監督のS木先生によるとMaxBCはやる気があれば誰でもいい、活発にしていきたいとのことだそうです!N体大のS木先生については、世界ジュニア挑戦の記事でもたびたび1980年代から何度もジュニアの日本代表チームのコーチをされているということでふれさせて頂いています。1984年のN体大ボート部創部時から関わられているようでボート経験者ではないにも関わらず創部初期からN体大をインカレ優勝常連校としての指導をされ、2009年U23LM4-銀メダルの時もコーチだったそうですね。
数少ない、世界に挑むことのできる日本が誇るボート指導者の1人でいらっしゃると思います。

選手としてのK野上選手。ちなみに親元を離れ戸田から通っている学校はこれまたボートでも有名になったS立学園だそうですが、同じクラスに全日本W2X3位になったS川S新選手がいて、アスリート生活を送っているのをすごいと思って見ていたそうですね。でも、K野上さん自身も完全に生活面すべてアスリートですよね。周りにお手本になる人たちがたくさんいて、まだまだこれからもっと強くなろうと思える環境と、強くなっても勘違いせず真摯に競技に向き合いひたすらボートのことを考える、これがトップになれる一番の条件と資質ですね。
エルゴは現在6'32ということで、168cm71kgという体格を考えると破格の数字ですが、体重74kgくらいまでなら最大6'15は全然狙えますので頑張ってほしいです。ちなみに日本の軽量級記録です。高1の11月で6'54ということで、高3の8~9月頃に1年半以上かけて6'32に到達できるということですのでご参考にして下さい。
尊敬し目標とする選手はN体大の先輩、全日本でも見事優勝したT山選手とのことで、T山選手のようにU23でも活躍してほしいと思います。

私は実は全日本初日はライブ中継を見ることができたのですが、M1Xレースを見ていたとき○axBCK野上選手?おそらく元○TT・K野上さんの息子さんなのだろう、鍛えられて大きな漕ぎをしているな、180cm台で20代なのかなと思ったのですが、まさか高3の18歳で168cmだったとは思いもしませんでした。
N体大で揉まれて培った実力はやはり高校生離れしています。そのK野上選手の強さはレース動画での漕ぐ姿にもすべて表れています。近年、高校生もテクニカルに漕ぐ選手は多いです。特に中学生とか地元のボートクラブでボート歴長い選手は非常にセンスある艇の動かし方をしています。しかし高校からボートを始めた選手は教え込まれた硬いフォームやカッチリとボディセットするような漕ぎも多く、いわゆる「高校生漕ぎ」が多かったりします。
K野上選手はたいへんテクニカルに漕いでおり、やはりとても大きな漕ぎに見えたのが印象的です。ボートというのは体格の大きい小さいに限らずこの「大きな漕ぎ」が優勝するトップレベルになるためには不可欠です。私も常にこの「大きな漕ぎ」をめざしています。見た目のハンドルレンジの長さではありません。水中でボートを動かしたボートの動くレンジであり、水中の大きな漕ぎです。
速いクルーは大きく見えます。艇の移動幅も大きいですし、それによって選手自身を岸からの見た目にも大きく見えるのです。
進まないクルーは小さく見えます。動画ではなく、生でボートを見るとそうした違いはよく分かると思います。

小柄ながらロンドン五輪金に輝いたデンマークLM2Xのクイスト選手が理想という、世界Rowingの研究にも熱心なK野上選手。オフの日にも日本だけでなく世界やオリンピックの動画をたくさん観ているとのこと。
ぜひ、高校ボート選手も常に世界に目を向けて、高校のときからオリンピックをめざし世界で勝つために何が必要か、具体的にどんな選手になれば世界で勝てるのかを考えて計画的に戦略的に世界トップを見据えてほしいです!
大事なのは飛躍した年だけでなく、これからです。Rising Starは目標と志を高く、Top Starへ。日本が世界で勝つ、そのときにK野上選手の「ビッグバンな漕ぎ」が世界大会ファイナルで爆発することを近い将来見てみたいですね!







Rising Starシリーズの途中ですが、ここで「2022年全日本が海の森で開催されるらしい」との報を聞き、急遽ブログ更新いたしました。
12/17更新の日ボHP。ということは、もう発表から1週間近く経っていたのか・・・。
https://www.jara.or.jp/info/current/race2022a.html


スクショの画像はこちら。私のほうで赤で囲ってあります。
2022レース日程
ということで、全日本は海の森となっています。
日ボインフォメーションで、「大会会場未定の開催コースが確定しましたので、改めて大会日程表を掲載します」とありますので、おそらく決定なんでしょうね。日ボが確定と言っていますので。

まあ、私も「おお~、全日本、海の森!?まじか!」
という感想でしたので(笑)、もしまだご存じなかった方もこの報を聞いて驚いていらっしゃるのではないでしょうか。

第100回記念大会と言えるわけですよ。
1920年、大正9年に日本ボート協会設立の年に第1回のインターカレッジが開催されこれが第1回全日本選手権の始まりとされています。本来なら2019年が第100回になるはずですが、関東大震災の1923年と、戦争の1944、1945年の3回中止になっていますので2022年に第100回大会を迎える全日本。
その記念大会的なところで海の森開催、というのは分かります。

そもそも、2020東京五輪のレガシーとして、海の森で日ボの大きな大会を開催したい、しっかりと新しいボート競技の聖地として会場を毎年使っていきたいという話は聞き伝わっていました。実際、ニュースを賑わせたくらいに莫大な会場建設費を投じて建設した海の森水上競技場です。使わないといけない事情もあるわけです。
インカレか、オッ盾か、新人戦か・・・?みたいな候補が挙がって議論がなされたといった話もあったとかないとか何となく聞いていますが、まさか全日本が。というのが私の驚きですね。そして2022年記念大会としてなら分かりますが、今後もそれが定着していくのか、この年限りなのかといったところで改めて注目される話だと思います。

そしてもうひとつ注目は、10月中旬に「TOKYO2020開催記念レガッタ」という大会が新設されていますね。
おそらくこれも、ボート競技普及のアピール、海の森をボート競技の中心としてといったような対外アピールに使っていきたい目的はあるのだろうと思います。土日の2日間の大会、うーむ、国体の2週間後、全日本新人の1週間前。微妙な時期ですので、もう少し時期は厳選するといいかなと思います。6月、7月あたりがいいと思うのですけれどね。特に東京五輪の開催された同時期の7月下旬あたりなら良かったんじゃないかと。
予想するに、ある程度トップレベルを含む大学や社会人を集めての大会になるでしょう。国体後、新人戦直前なので、大学は4年が引退し1、2年は新人戦に集中しているので3年生中心クルーか。しかし残念ながら2022年シーズンの3年生の代はコロナ禍で史上最小くらいに少ない選手数しかいません。そのへん考えているのかどうかというところ。
引退した4年も参加を募り、エイトやクォド、フォアを中心にボートをアピールする大会、本気モードでなく複数チームで混成クルーありとかエンジョイする目的ならいいかもしれませんね。
真剣勝負でシーズンの重要ポイントとしてレベルの高さをアピールしたいなら6月7月ですね。社会人選手権や全中もあるので難しいかもしれませんが、まあ、ボートの大会は近年柔軟に時期を変更するところがあるので、毎年適切な時期を考えていくといいのだろうと思います。




さて、とりあえず2022年の全日本が海の森だとすると、少なくともこれまでのように戸田の団体もホーム有利のアドバンテージはなくなりすべての団体がアウェーの遠征で臨むことになります。
もちろん北海道や九州などのチームと比べたら戸田のチームは圧倒的に近いのですが、戸田は遠征ノウハウがあまりないチームが多く、チームの経験値を積み重ねる必要がありますね。
遠征ノウハウがないといっても、どんな移動法・調整法にするか。2019年の「海の森水上競技場完成記念レガッタ」のときは1日だけの特別大会であり、戸田のチームはどこも当日戸田から電車に乗って移動したことと思います。コーチマネジャー陣は備品・荷物の輸送など部車で移動したりとか、だったでしょうね。
一部の選手やスタッフは宿泊しながらになるか、通いで大会に参加しコースの艇庫に艇を置いて乗艇確認はほぼ会場で行う感じか。地方のチームはやはり海の森近辺に宿泊し滞在費は戸田よりもかかる感じになるでしょうか。

全日本なので、これが海の森となるとさらに日本一をねらうトップクルーが参戦ということでこれまで以上に敷居が高くなりそうな感じもしますが、費用その他かかるとは思いますができればこれまでと同様くらいの出漕クルーがあるといいなと思います。
全日本ということで、特別な大会、最高峰の大会ということは変わりませんし東京五輪の会場で日本一を争えるというイメージで最高のレースをたくさん見せてほしいですね。

5月12~15日という、おそらくは世界選手権と国体の日程を考慮して早めの開催となる2022年全日本選手権。
あの2019年海の森記念レガッタ(2019年6月16日)をもちろん超える、全日本の舞台として絶好のボート日和で大会が行われるか。太陽まぶしい2019海の森記念大会や、2021年東京五輪(2021年7月22~30日)のような快晴でしょうか。
それとも、今年の同時期行われたアジアオセアニア大陸予選(2021年5月5~7日)や今年の全日本最終日のように曇りのコンディションか。どんな太陽の照明のもとで行われるかは分かりませんが、大波荒れる東京湾のラフコンだけにはならないことを祈りつつ。



海の森、ゲートブリッジを背景に 日ボ FB
日ボFBより
海の森、ゲートブリッジを背景に大勢のボート関係者で埋まった海の森コースのこけらおとし、2019「海の森水上競技場完成記念レガッタ」のようすをいくつかの写真で見てお別れしましょう。3、4年の人たちはあのときの景色が鮮明に蘇りますね?



海の森 K應大1
ここからは海の森の写真がたくさんあるK應大さんFacebookよりおもに写真掲載させていただきます。
羽田空港に近く、離着陸でたくさんの飛行機が舞う海の森上空。
空には飛行機がたくさん、海の森にはボートがたくさん。



海の森 K應大2
海の森レースへと、いざ出陣!船台がいくつか用意されています。



海の森 K應大3
緊張の岸蹴り。全日本最終日では緊張感ただよい海の戦場へと赴く蹴り出しとなるでしょう。



海の森 W大
こちらはW大FBより。多くの観客も詰めかけながら、選手たちはその間を縫って艇を運んでレースへと向かいます。
観客と選手が行き交う会場の風景も、よく見られるボートならではのシーンですよね。



海の森 K應大4
海の森記念レガッタでは色んなチームが同じ艇庫や共同で施設を利用するので、顔見知りもたくさん。知人同士でボート仲間を増やせる機会でもあります。K應大、R大、R谷大など色んな選手が一緒に写真撮っていますね。



海の森 T北大 記念写真 T北大Twitterより
T北大Twitterより。
激闘終えて、ゲートブリッジを背景にクルーの記念写真を撮り、この海の森の光景も、絆でつながる仲間も一生の宝物に。
遠征はチームの結束が一層強まる大きな機会なのです。






この舞台からちょうど3年となる、2022年5月は果たしてどんなドラマが海の森で見られるのでしょうか。
第100回全日本選手権、もちろんライブ中継とテレビ放映、両方実現して熱戦をリアルに伝えてほしいですね!そして感動の写真もたくさん撮れる会場に戻ってほしい。
症状の軽いと言われる今回のコロナ、こんなウイルスに負けずにぜひとも観客ありの状況で2022シーズンを過ごさせてほしいものです!!



全国の若手ボートマンの方々、こんにちは。
今年もやります、Rowingの志版「RISING STAR」!!
2021年も残りわずか、コロナなんか終息して消えちまえ!企画であります。


最初は2018年の11月末から12月頭にかけて新企画で書いた記事であり、今年で4年目に突入。大学2年までの新人選手限定で、一気にブレイクしたりブレイク寸前の「RISING STAR」を一挙ご紹介するコーナーです!
Rising Starとは、成長株、期待の星、人気急上昇中の人といった意味です。World Rowingファンの皆さんならご存じ、世界でブレイクしたりブレイク寸前の期待の若手選手を紹介する記事ですね。
高校生を厳選したり、大学では全国の色んなチームからと思ってどんどん挙げていったところ、なんと30名を超えてしまいました!綺羅星のごとく、あふれ出すボート界の若いきらめきたち。「RISING STAR」からボート界の真の「TOP STAR」となって輝け!この中からRowing世界一をめざす選手が出てきてほしいと思います。

ちなみに、大学3年以上は選ばないという自分で作った縛りがあり、今年の全日本インカレでは特に大学3年世代、大学4年世代の活躍が中心でした。実質、ボートを始めた大学生は3年目のシーズン、そして4年目ラストシーズンで飛躍した選手が多かったと思います。こうした皆さんを選べないのは心苦しいですが、とりあえず大学や社会人の1年目2年目までとさせていただきますのでご理解のほどお願いします。また、完全に勝手な主観の選出とさすがに多すぎても記事にならないので、選べなかった方々にはご容赦のほどお願いいたします。
そしてRising!という急成長イメージの選手を選びたい反面、フレッシュな1年目、飛躍して大活躍の2年目、そして有望かつ今後に期待の高校生、そのほかキャリア豊富で20歳なのにボート歴たいへん長い選手まで含まれます。

このブログでは、いつからか多くのチームの選手を勝手にご紹介させていただくことが多くなってきました。「あまり勝手に紹介すると、失礼にあたる」という意識は常に抱えながらも、「ブログに載せてもらってありがとうございます」というお言葉を頂くことのほうが多いので、好意的に受け止めてくださる方が多数だと信じて、こうした企画をやってしまう所存であります。
いつもながら、勝手にブログに載せることはたいへん失礼ではありますが、Rowingの魅力は人の魅力、Rowing選手の魅力にあるという思いを胸に、ひとつご理解とご協力をお願いいたします。いや、結局ボートの魅力はそこに尽きるんですよ。


インカレや高校の記事などさまざまな記事を書いてきて、多少は全国区で色んな選手がいらっしゃることを調べの中で知ることができました。私のRowingデータ調査網において勝手に見知った選手が全国にたくさんいらっしゃいます。レース結果の調べや大学ボート部ブログとかで知った方などです。本当に調べるとたくさんのボートマンの存在を知ってしまうのです。まだまだたくさん素晴らしい選手がいるのですが、いつもながら独断と偏見でいきたいと思います。


過去記事です。
昨年ご紹介の選手と、U19選手紹介記事です。
「2018NOVEMBER、RISING STARS!!~前編」
「2018NOVEMBER、RISING STARS!!~後編」
「U19日本代表、RISING STARS!!~男子編」
「U19日本代表、RISING STARS!!~女子編」
※U19は2019年春、M大のU19代表T.T輝選手のリクエストにより書いた記事です。

「2019DECEMBER、RISING STARS!!~前編」
「2019DECEMBER、RISING STARS!!~後編」
「2020 DECEMBER、RISING STARS!!~前編」
「2020 DECEMBER、RISING STARS!!~後編」

特にこのシリーズを知らなくて時間のある方は、過去記事もぜひチェックしてみてください。
けっこう、その後上級生になって優勝したりメダルに輝いたりと、めちゃくちゃ活躍してる選手多くないですか?とても嬉しく思っています。やっぱり、1年目、2年目でブレイクし始めの選手がチームの主軸になったり大きな選手に育っていく過程はとてもワクワクしますよね。

今回も、過去にご紹介した選手と、今年何度もブログ記事中で取り上げさせてもらった選手などはあまり選出していません。しかし何人かは一度注目してからここでも選ばせてもらった選手もいます。
できれば、今年一気に伸びてブレイクした選手、インハイや全日本新人で活躍したフレッシュな選手などをピックアップしたいと思っています。しかしながら今年もコロナ禍が世界を覆い、世界ジュニア派遣を見送ったり、全日本新人など若い星がきらめくレースがいくつも中止になってしまい20歳以下の選手たちの選出は難しくなっています。マシンローイング大会の結果も貴重な判断材料にしていますがこちらも中止。今年は少なくなるかなと思いましたが、それでも30人近く選んでしまいました。
それから、トップ選手もいますが、World RowingのRISING STARでもそうであるように、必ずしもトップの実力と実績がなくてもいいのです。その辺が独断なんですね。




ちなみに、この記事の元ネタであるWorld Rowingサイトの本家Rising Starの記事は、昨年12月頃にサイトがリニューアルしたときになくなってしまっているようです。今のWorld Rowingサイトでは、Rower of the Monthという、毎月の年齢無制限で注目選手を紹介するコーナーは継続していますが(以前はAthlete of the Monthというコーナーだった)、若手のイチ押し選手をピックアップするコーナーはなくなっているようです。
当ブログではその本家Rising Starを紹介する前フリも慣例化していまして、今年でその前フリは終了しようと思いましたが、それも寂しいので東京五輪で活躍したRising Starを挙げさせていただきます。

個人的に選ぶとすれば、東京五輪M8+金メダルのNZから、ストロークに抜擢され金メダルを掴んだマット・マクドナルド選手(22歳、198cm)と、同じく5番のダン・ウィリアムソン選手(21歳、196cm)です。

2021 マット・マクドナルド NZ Wikipediaより
マシュー・マクドナルド選手(22歳、198cm) 東京五輪M8+金のNZストローク


2021 ダニエルハンター・ウィリアムソン NZ wikipediaより
ダニエル・ハンター・ウィリアムソン選手(21歳、196cm) 東京五輪M8+金のNZ5番

こんな若い選手が東京五輪M8+で花形のポジションを任され金メダルに輝いたのです。2人ともNZのオークランド出身。学年は1年違いで、ボートを始めたのもそれぞれ12歳の時と14歳の時でクラブも違いますが、2017年に世界ジュニアのM4-(2位)、2018年U23世界選手権のM4-(3位)と、同じクルーで代表に選ばれ、大きく成長。そして東京五輪をめざした若手のホープとして2019年シニアの世界選手権M8+に一足先にマクドナルドが弱冠20歳で7番に抜擢されます。しかしここではFinal Aの6位ということで優先出漕権を逃します。2019年のキウイM8+はまだまだ完成していなかったんですね。
そしてさらに若いダン・ウィリアムソンも加わり、マクドナルドはバウサイドからサイドチェンジしてストサイになりストロークを任されるのです。キウイM8+の大胆な人事と編成!
2020年は世界をコロナが襲い、NZの厳しいコロナ政策によりロックダウンと海外レース不参加で国際レースに出られない中、じっと力を蓄えてきたキウイM8+。2021年世界最終予選を勝ち抜き、瀬田で絶好調の合宿を終えて迎えた東京五輪本番。予選はオランダに先行され半艇身を逆転できず2着スタート。しかし2日後の敗復ではあの順風の漕ぎにくいコンディションで前回金のイギリス、復活してきていたアメリカを相手に先頭を譲らず1着で決勝を決めます。ここが最大のポイントになったでしょうか。
そして決戦となるFinal A最終レース、スタートから激しく競り合ったのはイギリス、ドイツ、NZ。やはりこの3強となった展開、お互い譲らず1000mまでカンバス差しかない大接戦の三つ巴、しかし第3クォーターで一気に攻めたNZがついにここまで2強で世界のエイトを牽引したイギリス、ドイツを半艇身リードすることに成功します。これまで国際大会で優勝のなかったマクドナルド、ウィリアムソンの若い2人の執念です。
ラストの激しい2強の底力を見せた驚異のスパートにも耐え、NZのキウイスパートが海の森に炸裂すると、黒い船が東京五輪金メダルという世界一の勲章をついに手にしたのでした。

NZのM8+五輪金メダル。キウイペアとして世界一の連勝記録を重ねながらもリオ五輪のあとはM8+にこだわったハミッシュ・ボンド。トム・マレーやマイケル・ブレークによるM2-でシンコビッチ兄弟への挑戦、ずっと続けてきたU23世代からのM8+育成など、多くの先輩漕手たちとコーチの長年にわたるM8+への思いがあって成し遂げられたM8+金メダルでしたが、そこに21歳、22歳という若手のピースが加わって、この偉業が完成したのですね。

2021東京五輪 NZ M8+ RowingNZ FBより
海の森のコースをキウイM8+が最後に最高のレースをして駆け抜けた。Rowing NZのFacebookより


こんな感じのWorld RowingにおけるRISING STARであります。楽しくいきましょう!










では、日本のRISING STAR、いきますよ。本当に勝手なセレクションですがすみません。



RISING STAR~FILE 01
K茂高 K松選手
K茂高1年 K松M綸選手
158cm59kg
これまでは高校生男女+女子を前編としていましたが、今回は女子が前編、男子が後編といたします。
トップバッターはこの人、高1にしてインハイW1X優勝に輝いたK松M綸(KANEMATSU・MARIN)選手です。これで2年連続高1がインハイW1Xを制しました。しかも、この2カ月後に全日本W1X4位になるS水選手、全日本W1X8位のY本選手など強豪を破り、2位のY本選手に2艇身差をつけての圧巻の優勝です。インハイは1000mなので1000m得意選手が有利ですが、K松選手は前半2'01、後半2'02と全く落ちないようなレースで後半の500mで一気に混戦を抜け出し高校トップ選手たちをちぎっていきました。
このK松選手は私のブログでも何度もご紹介しているので、今年Rising!という印象が特別に強いわけではありませんが、やはり高校タイトルを手にしたのは大きいと思います。驚異のジュニア選手を育成するGふジュニアボートクラブご出身で中学生ながら全日本にも何度も出場しているK松選手。ボート界でも超有名ですね。何しろ、中2の14歳でエルゴ7'36をマークしているのですから・・・!身長も158cm、体重もほぼ軽量級ですのでどちらかといえば小柄。K松選手の強さの秘密は幼い頃からの水泳で培った持久力、そしてたいへん力強いパワーだそうです。私は以前、女子ボート選手は160cmはないと活躍できないという偏見がありましたが、もう身長は全く関係ないですね。男子も160cm台でも全然OKだし、女子も150cmもあれば問題ないでしょう。
K松選手のように、中学生から、そして中には小学生から漕ぎ始める選手もいて、中学世代からシニア顔負けの実力者がどんどん出てきて、高校ボートの女子はたいへん競争が激しくなっています。
その背景には、水泳や陸上などでしっかり体力のある選手がボートでの活躍を求めて競技転向してきていること。世界ナンバーワンスカラーの争いをしているドイツのツァイドラー選手も水泳からの転向ですしね。そしてGふジュニアのように育成力のある名門ボートクラブがあることです。シニアでも勝負できるようなK松選手、地元の強豪校のK茂高に進学し、ここでまたさらに強くなってめざすはジュニア代表、そして将来の軽量級女子代表候補として世界をめざしてもらいたいですね!







RISING STAR~FILE 02
W狭高 Y本選手
W狭高3年 Y本Y結選手
164cm60kg
続いて、W狭高のエーススカラー、Y本Y結(YABUMOTO・YUI)選手です。
ボート王国福井県で切磋琢磨し、そして高校トップレベルの選手はジュニア代表選考でも鎬を削ってきました。ハイレベルな代表争いでは常に上位を占めており、Y本選手は春の全国選抜W1Xで見事優勝。このときは1000mレースでした。そして夏のインハイでも二冠をめざして同じ福井のM方高・S水選手に負けまいとハードトレーニングを重ねてきましたが、インハイではS水選手には常にリードをとりますが前述のK茂高・K松選手に後半逆転されインハイは悔しい2位。地元福井県久々子湖のインハイをW1X種目では優勝で飾ることが叶いませんでした。
しかし、同じ福井県のよきライバル、S水選手とともに10月末の全日本にもW1Xでチャレンジします。鋭いスタートダッシュが武器のY本選手、1000mでは強さを発揮しましたが、全日本ではY本選手よりもスタートが強い選手、そしてコンスタントで1本1本艇速をキープするトップスカラーを目の当たりにして、最初はいいレースができませんでしたが最終日のFinal Bではインカレ優勝となったR谷大・S沼選手と互角に近い1艇身を争うレースができて、大学チャンピオンと1秒差の全日本8位となることができました。2000mの強さを身につけて、競争の中で今後も力をつけていきたいY本選手のストーリーはまだまだ続きます。







RISING STAR~FILE 03
M方高 S水選手
M方高3年 S水S選手
176cm65kg
W狭高のY本選手と同じく、こちらS水S(SHIMIZU・SORA)選手は福井県が誇る代表レベルのトップスカラー。176cmの長身でいかにも大きく漕ぐ長いレンジとパワーが魅力の選手です。エルゴもU19候補の中ではトップクラスで、2月のエルゴTTでは7'23のU19トップタイムをマークしていますね。世界で戦うにはまだまだこれからなので、未完の大器が世界のオープン選手に成長するかどうか、あと40秒くらいエルゴを伸ばしてほしい、そんな選手になってもらいたいですね。
インハイではW1Xで3位と、K松選手、Y本選手に敗れ相当悔しい思いをしたようです。全日本ではその悔しさをぶつけ、準決勝は3位に滑り込む形で何とか決勝に進みます。しかし決勝ではスタートも最高のものが出せて、得意のコンスタントも粘りに粘ってベストレース、元U23代表のS方選手をおさえて4位に入りました。あわよくばU23に五度出場の○TT・T島選手にも手が届きそうなベストパフォーマンスを見せたのです。
間違いなく2000m向きのオープン選手、S水選手はさらに力をつけて真の代表へと、これからのU23カテゴリーのチャレンジが本当の勝負になっていくでしょう。







RISING STAR~FILE 04
Y浜商業 Y本選手
Y浜商業高3年 Y本K夏選手
今年の2021年福井県インハイW2X、地元W狭東高を破って優勝したのはY校(ワイこう)ことY浜商業でした。
Y浜商業の愛称は野球部のユニフォームYマークに由来するY校。そのY校ボート部のW2X、ストロークのY村Y乃(YAMAMURA・YUKINO)選手とバウのY本K夏(YASUMOTO・KYOKA)選手が優勝しY校のYYダブル、ワイワイづくしとなりました。Y浜商業のインハイ優勝は、なんと1962年の女子KF優勝以来、59年ぶりの快挙だそうです。Y校のすごいのは、W2X優勝だけでなく、W4X+も決勝4位となり、全員高校から始めたメンバーの多くがインハイ優勝レベルで競ったということです。
これまで神奈川県の高校ボートといえば相模湖で練習する県北のT久井高校、AI川高校が強く、都市部では横浜市日吉のK應義塾高、川崎市のH政二高、この付属高が全国レベルです。しかし近年、古豪だったY浜商業が神奈川県では男女揃って強さを見せるようになり、インハイ優勝は59年ぶりとのことでしたが、2014年には全国選抜W1X優勝も果たしており、2010年代からY浜商業といえば全国上位を常に賑わす強豪校の仲間入りを果たしていました。
このインハイ優勝ダブルも、インハイ4位クォドも、個人で言えば決してエルゴトップ10ランキング入りするようなフィジカル強者はあまりおらず、私が調べたところ20分エルゴでは4700m台を記録しているのはW2XバウのY本選手のみ。代表候補に選ばれる選手はいなかったようなのです。しかし、Y校の校舎すぐ近くを流れる地元の大岡川で普段は乗艇をし、休日にはもう少し距離のとれる相模湖ではるばるトレーニングに行くのが伝統ですがこの1年半、コロナで相模湖の活動も制限され陸トレが大半を占めたとのこと。
しかしY校ボート部には伝統のエルゴメニューがあり、2000mを全力2セット、このハードトレーニングをひたすら繰り返しレースの倍の距離を何度も漕ぐことで前半の強さだけでなく後半の粘りも養い、Y校W2XはH松西、M山東との競り合いから抜け出して後半のW狭東の猛追にも耐えて逆カンバス差での優勝を果たしたのです。そしてY校W4X+はスタートはK茂高と並びながら後半はS々黌、O谷南との競り合いを制し4位入賞となりました。
Y校W2XのY本選手とY村選手は、1年の時からずっとコンビを組んで家族よりも長い時間を過ごしたと言います。顧問先生のA田先生の手腕もさることながら、個人の力ではなくいざというときの団結力、チームワークで勝負するのがY校ボート部のスタイルなのです。







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I治西高 Y塚選手 Coastal Rowing Japan Facebookより
Coastal Rowing Japan Facebookより写真掲載させていただきました
I治西高2年 Y塚S沙選手
まだ高2のI治西高の女子ダブル、バウのY塚S沙(YATSUZUKA・SASA)選手と、ストロークのY下M由希選手が世界2位の快挙!これは9月に突如という印象で入ってきたコースタル世界選手権のニュースですね。
私もコースタルRowingはどんなものかこれまで失礼ながらほとんど知らなかったのですが、私のように新競技に億劫で食わず嫌いだったRowing関係者も興味が持てるようになるといいですね!

コースタルRowingは、大きく分けて2つのレース形式。
まずコースタルローイング。全長4~6kmの比較的長い距離のレースをおこないます。これは普通に2000mレースRowingと同じような地の漕力、体力、技術が求められますね。
そしてビーチスプリント。こちらは砂浜ダッシュして波打ち際の艇に乗り込み、250m沖のブイをターンしてまた戻り、砂浜全力ダッシュで戻ってきます。こちらはRowingになかった「走る」動作、艇の乗り降りの機敏さも必要なので今までにない要素もあります。
どちらも海をメインに漕ぐので(大きな湖の場合もある?)、波のうねりや時にはチャンバラもあるなど、日本人にとっては障害物競走のようでもあり純粋体力勝負よりもゲーム性が増して、向いているかもしれないとRowing関係者が期待を寄せる理由でもあります。

日ボHPのコースタルRowing説明

種目はそれぞれコースタルもビーチも以下のようにボートならではの豊富な種目が用意されています。
男子M C1X、C2X、C4X+、C4+
女子W C1X、C2X、C4X+、C4+
混合Mix  C2X、C4X+

スイープもあるんですね。コースタルスイープ面白そうです。ただ男女混合に関してはスイープだとサイドバランス難しそうなのでスカルオンリーとなっています。

2021コースタル世界選手権、日本は長距離コースタルローイングにも短距離ダッシュのビーチスプリントにもどちらにも有志といいますか、社会人、高校生を中心にN野H志さんやスイフトのS名さんを筆頭に初めてといっていいくらい大挙エントリー。
たくさんの選手がコースタルRowingで活躍、楽しんだ中で、なんとビーチスプリントに出たI治西高女子ダブルの2人が決勝にまで勝ち進み2位銀メダルに輝いたのです。
コースタルrowing JPN2位 World Rowingサイトより
World Rowingサイトより

I治西高は言うまでもなく高校ボート強豪校ですが、女子だけでなく男子もM1XとM2Xで健闘しM2Xは準決勝進出しています。
やっぱりこれまでのRowingと少し違って、テンションもたいへん高く、真剣勝負ではありますが楽しい要素のほうが大きそうですね。
こちらの動画を観てもらえると、説明するより一発でコースタルRowingがわかると思います。
2021ビーチスプリント世界選手権 最終日動画
https://www.youtube.com/watch?v=Hk4eoSytDUo
 8:10頃 CM1X N野H志選手
1:32:00頃 CJM2X 準々決勝
1:55:00頃 CJM2X 準決勝
2:08:00頃 CJM2X 決勝B
2:59:00頃 CJW2X 準決勝 こちらがベストレースですかね!
3:19:00頃 CJW2X 決勝 スウェーデンとの対決

ダッシュダーッシュ!Rowing!Rowing!ターン!Rowing!Rowing!ダッシュダーッシュ!
という感じです。
もちろん、静水の水上Rowingの実力がベースにあることが前提と思います。しかしそれ以外の要素も結果に大きく絡んでくるので、日本人には体格やパワーの差を細かい要素で補うことができそうですよね。
ぜひ、ビーチスプリント以外にもコースタルローイングも動画があるので見て頂き、それぞれの種目の魅力、駆け引きや海のRowingというオフロードRowingの面白さを楽しんでほしいと思います。
(World Rowing Coastal RowingでYoutube検索してみてください!)

さて、その世界2位に輝いたバウのY塚選手は、Rowingでも実力者です。
愛媛県の「えひめ愛顔(えがお)のジュニアアスリート発掘事業」で中学2年の時にボート競技に出会い、競技を始めます。I治RCに所属し、持ち前の下半身の強さと向上心で2019全中W1X3位。I治西高に入学する際、並行して続けた自転車競技をやめてボート1本に専念すると、高1ながら2020年、3年の先輩K上選手(現・W大)とのW2Xでインハイ代替大会2位に輝きました。そして今年、今治で開かれたコースタルのビーチスプリント選手権をきっかけに、おそらく出てみないかと誘われたことから代表にも選ばれ出場したコースタル世界選手権で、同級生のY下選手とともに世界2位となって一気に世界へRising!インハイでは惜しくもW1X8位となっていただけに嬉しくも楽しいシーズンラストレースになったことでしょう。
将来的に、コースタルと、従来のRowing、どちらをメインに選ぶかは分かりませんが、ボート選手として2000mレースのさまざまな種目、そしてコースタルと、どの種目も自分の適性と好みで選べる選択肢があるなら素晴らしいことだと思います!







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S立学園高 I上選手 埼玉県財団法人 スポーツ協会より
公益財団法人 埼玉県スポーツ協会Facebookより写真掲載
S立学園高2年 I上S乃選手
170cm60kg
さて、こちらも「えひめ愛顔(えがお)のジュニアアスリート発掘事業」でボート競技に出会った選手、I上S乃(INOUE・SACHINO)選手です。Y塚選手とは同じ発掘事業での同学年となります。愛媛県は本当にボート王国ですね。
ボート競技でのオリンピック金メダルをめざし、愛媛県出身のI上選手はJOCのJ-STARプロジェクト(ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト)にも合格し、JOCエリートアカデミーの育成機関とも言える東京都S立学園高に2020年入学しました。
しかしコロナ禍はアカデミー生にも襲い、寮生活も活動制限で一時使えなくなり入学早々I上さんは愛媛に帰省せざるを得なくなりました。そのほかさまざまな逆境があったことと思いますが、そんな中でもS立学園高の先輩とともに実力をつけていきます。
S立学園高が強いという見方もできますが、このチームはJOCエリートアカデミーとして代表とオリンピックをめざすチームであり、元々競技の適性があるとして体力選考でも優秀だと認められ、そして最高の環境でスポーツを学び指導を受けている選手達です。順調に育って、ほとんどU19代表に選ばれていくのはやはりすごいことですが、全国各地から将来を見据えて育成された金の卵たち、シニアになっての世界的な活躍を期待したいものです。
今年2021年、残念ながら世界ジュニア選手権やアジアジュニア選手権への派遣はまたしてもコロナにより中止になってしまいましたが、I上選手はアジアジュニア選手権のU19代表に高2ながら見事に選出されました。
2021年2月の代表に向けたエルゴトライアルではI上選手は7'33、ともに高め合う先輩であるS川S新(SEGAWA・SANII)選手が7'27で、伸び盛りです。7'20台は目前ですが、2人とも170cm級の長身なので目標はもっと高く7分切りを視野に入れてほしいですね。
10月の全日本では、高2のI上選手がストローク、高3のS川選手がバウでW2Xとして出漕し、予選からパフォーマンスを上げて見事にIリスオーヤマ、K沢大に次ぐ3位に輝き大きくRising!しました。レーススタイルはひたすらイーブンペースでラスト追い上げ、第4では1'48の驚異のスプリントでIリスよりも3秒以上速いタイムを叩き出しました。
S立学園には同期のI塚選手をはじめ、頼もしい後輩もまた入学してきています。来シーズンもU19代表をめざし、今度は世界の舞台でさらなるRisingを遂げようとしていきます。







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Dソー M岡選手 DソーHPより
DソーFacebookより掲載させていただきました
Dソー2年目 M岡N南選手
170cm66kg T商業高出身
こちらは社会人から。Dソーで社会人でボートを始めたにもかかわらず、2年目で全日本W1X6位に入賞したM岡N南(MATSUOKA・NANAMI)選手です。
Dソーには、そのポテンシャルを見込まれたり、違う競技から転向して社会人でボートを始める選手が2010年代から多くなっています。かつてはDソーも高校ボートから高卒で入る選手が主体という、他の社会人チームと同じ路線でした。高校トップ選手が次第に社会人よりも大学に進む流れとなってきてからは大卒選手も増えてきました。その中で、Dソーは国立大ボート部出身者も積極的に採用するようになり、そして現在では他競技転向で社会人からボートを始める選手を増やしています。
バレーボールやソフトボールが多い印象ですが、特にC条選手のT商業ソフトボール部の出身者がDソー入社し、ボート部に入る流れができており、U林選手、そしてこのM岡選手がT商ソフト部出身のラインとなっているようです。
そのT商業の先輩、C条選手はDソーで大きく成長しそのポテンシャルと努力によって今年エルゴ6'57をマークし、K電のT野選手らとともにオープンのエースY川選手を追いかける代表選手にまでなりました。
M岡選手もゆくゆくはそれに続きたい。Dソーのハイレベルな環境でスカルの技術を高めて迎えたボート競技2年目の全日本はW1Xで出漕します。初日タイムトライアルでは同じ愛知の社会人オープン選手、T自動車のS原選手とはやや差がつきますがタイムは全体の5位につけます。続く2日目予選では元U23代表のS方選手と激しく競るレース。そして準決勝で先ほど紹介した高校の強豪スカラーW狭高のY本選手を破り決勝へ。決勝では代表級が揃う中でボート歴2年目のM岡選手はコンスタントでやや力負けしてしまいますが、初めての決勝ということで経験を積めばもっと実力を発揮できることでしょう。
6月の社会人選手権では最下位に終わってしまったW1Xで、大きく挽回し全日本ファイナリストまで一気に飛躍したM岡選手の成長ストーリーは、まだまだほんの序章です。来年以降、さらなるRisingに期待したいですね!







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T国際大 N野選手
T国際大2年 N野M恵選手
163cm57kg T賀工業高出身
さて、次はいよいよ大学生のRising Starです。今年のインカレでは多くの選手が活躍しましたが、インカレでトップ争いをした選手は3、4年生が多い印象でした。1、2年生の活躍は、高校から長く続けている選手が多かった感じですかね。全日本新人が2年連続で中止になってしまっているので、大学から始めた選手は3年生でもフレッシュに感じた今シーズンですが、なるべく1、2年生から選出したいと思います。
と言いながらも、ここでご紹介するT国際大のN野M恵(NISHINO・MOE)選手は経験豊富で、福井県T賀工業出身です。2019年茨城国体W1X優勝という燦然たる実績がありますが、実はこのときの国体は悪天候のため決勝進出クルーが全て優勝という扱いになった大会でした。N野選手が準決勝で破った相手は、U19代表のK藤選手、今年インカレ初出場のM九州大に進んだM崎北高のN口選手、先ほどのY塚選手と組んだI治西・K上選手がいました。この高3シーズンがN野選手にとってのRisingだったかもしれませんが、大学ではT国際大に進み、大学1年のインカレはW2Xで出漕し見事今度は実力で3位銅メダルに輝きます。対校メンバーといえる先輩のW4+はまさかの敗復落ちで敗れてしまったため、T国際大女子を救ったW2Xだったといえるかもしれません。
そして大学2年の今年、N野選手はインカレにW1Xで出漕。大学タイムトライアルでトップに僅差の全体2位ということで好調な滑り出し、1日目タイムトライアルではあまり振るいませんでしたが2日目予選でギリギリの接戦を制し3着で準決勝進出しインカレ3位以内を確定します。最終日のFinal BではR谷大のS沼選手に後半少し離されたもののインカレW1X準優勝。
T国際大女子の中で今年もトップの成績でチームを牽引し、個人としても準優勝ということで自己最高の順位を更新したのです。来シーズンは3年生となり、めざすは高3時での茨城国体での幻の優勝を超えることでしょう。そして、自他共に認めるT国際大女子エースとして、男女優勝に向けて駆け抜けていきます。







RISING STAR~FILE 09
D大 O合選手
D大1年 O合H乃花選手
168cm60kg H根東高出身
T国際大のN野選手とともに茨城国体で決勝進出を果たし優勝扱いとなったW1X選手は4人います。S立学園高3年でこのとき福岡選抜で国体に出たM田K子選手(現・R命館大2年)。S訪清陵高3年でインハイW1X優勝、長野選抜で出ていたT井M奈選手(現・W大2年)。前述のT賀工業3年のN野選手(現・T国際大2年)。そして滋賀県のH根東高2年で滋賀選抜として出ていたO合H乃花(OCHIAI・HONOKA)選手です。
O合選手はS田北中でボートを始め、2017全中W1Xで3位。早くから全国の決勝で戦う選手だったのです。H根東高のホーム、琵琶湖につながる彦根城のお堀は500mしかとれませんが、そのためスタートダッシュに磨きをかけて勝負するのが得意の戦法でした。そして課題の後半の体力にも取り組んでいました。参考記事https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/5569
高2のシーズンはインハイW1X6位、そして茨城国体はいま見たように決勝進出で優勝。順風満帆で高3シーズンはさらに高いところをめざすはずでした。
しかし、コロナが襲い、ご存じのように全国大会は次々と中止。インハイだけは代替大会が急遽用意されましたが、参加する高校もあれば不参加の高校も多く、H根東高はおそらく出場はしていなかったようです。O合選手も受験勉強に専念し、ボートを続ける気持はなくなったといいます。
ところがD大を受験し合格して入学してみると、ボート部の門をたたく自分がいました。
「何かの縁で私は再びボートを続けています。ボート部が避けては通らないであろうエルゴが私は大嫌いです。けれども、部活をしなくなった途端なぜか少し恋しくなる時がありました。取り憑かれてるのでしょうか・・・。笑」
というO合選手。はい、たぶん取り憑かれていますね。(笑)
しかもD大は、O合選手のお姉さん(昨年引退)とお兄さん(現3回生)もボート部で、3人兄弟全員D大ボート部という珍しいボートファミリーとなりました。どうやら末っ子のH乃花さんだけ経験者というのも珍しいですよね。
お兄さんも対校M8+の7番で超実力者、H乃花さんは1年ながらその実力と経験で対校W4Xの3番を漕ぎ、D大クォドを過去最高順位のインカレW4X5位に躍進させた原動力となりました。
めざすは兄妹優勝!雄大な琵琶湖のはるか先へと、夢は果てしなく。D大のWild Rover冒険の旅は来シーズンがハイライトになりそうです。






RISING STAR~FILE 10
W大 H谷川選手
W大2年 H谷川S実選手
160cm55kg W実業高出身
次のご紹介はW大女子の中では比較的珍しい未経験選手、H谷川S実(HASEGAWA・SATOMI)選手です。
本当は未経験者なら今年はH橋大、K應大をはじめスポットを当てたいチームはたくさんありますが、このへんのチームは今年活躍した未経験選手が3、4年ばかりなんですよね。
W大女子はK應大女子と比べると昔から未経験選手は少なかったと思います。しかしそのW大で大学からボートを始めた選手は、ジュニア代表ばかりのようなトップ選手が集うW大女子の中で大いに鍛えられ、早い段階で活躍する選手が多かったと思います。私がよく覚えているのは少し前になりますが、2001~2004年に在籍した未経験漕手、H.M美(HARA・MEGUMI)選手です。H選手は高校時代チアリーディング部でしたが、W大でボートを始め2002年にインカレW2Xに抜擢されU19代表だったM手洗選手とのコンビで2年でインカレ優勝。3年、4年とインカレW4X+優勝し3年連続インカレ優勝、そして4年生の時には主将も務めたという、猛者揃いのW大を率いるにふさわしいスーパー未経験者でした。
当時のこのような記事もありました。
http://www2.wasedaclub.com/division/boat/news/rowing/backnumber/bn08.php
その他にも何人もW大には素晴らしい未経験者がいます。現在も、男子では1年生でいきなり全日本新人M4+2位になったH野選手が今年インカレM8+の6番で2位銀メダルに輝いています。

H谷川選手はW実業高出身、高校ではテニス部に所属し団体で関東1位になったり全国選抜に出るなど活躍していたようですね。しかし、大学から新しいことを始めたいと思い以前から興味のあったボート部に入部を決めたそうです。2年生の今シーズン本格的にレースに出漕し、お花見ではW4X3位、そしてW大M大C大のタイムトライアルでW2Xストロークを務め順調にスカル経験を積むと、インカレではフレッシュな編成でのW4+、スイープで挑戦することが決まります。バウに乗るH谷川選手をはじめ当初は慣れないスイープだったと思いますが、5人でタフな練習を乗り越え圧倒的なスタート先行力を武器に高いスピードを出せるまでになっていました。スタートで水をあけ、逃げ切るレースプラン。しかし決勝では課題の後半が最後まで克服できずインカレW4+5位。このW4+の可能性には、間違いなく未経験のH谷川選手の成長力も加わってのポテンシャルがあったと思います。春先からクルーを組むことが多かった4年生の先輩O槻選手から学んだこと、そして未経験でもW大の主力となるべく、来シーズンのH谷川選手のさらなる活躍に目が離せません。







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H海道大 Y岡選手
H海道大2年 Y岡E里選手
165cm57kg H尾学園高出身
未経験中心で強い選手を輩出し続けている北の国立大はT北大だけではありません。H海道大も強豪国立大チームとしての復活を虎視眈々とねらっています。インカレW4Xに2年で出漕したY岡E里(YOSHIOKA・ERI)選手。

H海道大女子部の強さは、2002年インカレW4+優勝もあったように、W4+をはじめとしたスイープの強さです。しかし何といっても2001年インカレW2-優勝ですね。H.K名子(HAYASHI・KANAKO)選手とA木(AKAGI)選手のH海道大W2-は、逆風の中決勝でW大、M大の2位以下になんと16秒以上もの大差をつけるぶっちぎりの優勝を果たします。逆風での優勝タイムの7'59は、ほぼ同時刻にU23代表で組んだインカレM2-優勝のM大のタイム7'25と比較しても相当なタイムであり、夏の無風で当時のインカレレコードを楽に更新する7'40切りに相当したのではないでしょうか。
このH選手はその後も2002年インカレW1X2位となり、この2002年にはH海道大はインカレW4+優勝、インカレW2-4位とインカレ決勝3種目を達成し金・銀・4位であり未経験大学としては全盛期だったかと思います。H選手はエルゴ7'20前後だったと思います。残念ながら、H選手は8年前頃に急逝され、大学ボート時代の活躍を偲んで同期の方達が寄付を募りエンパッハのシングル艇に故人の名を命名した「K名子」を現役に贈呈、そして桜の記念樹を植えるというH海道大にその思いと記憶を受け継いでいくプロジェクトが行われています。(この艇は今年のインカレではF女子大のH選手が使用したとのことです)
H海道大は1954年の全日本M8+を日本レコードで優勝するなど、たびたびこうしたブレイクの年を築いては、大学ボート史に残る活躍を果たしているのです。

そんなH海道大の先人の思いを受け継ぐ女子部、今回のインカレW4Xでは4年U野選手、バウに3年I井選手、そしてミドルペアには若手のY岡選手、O西選手の2年コンビが漕ぎました。結果としてはもう一息、経験不足もあったレースとなってはしまいましたが、定期戦を行うよきライバルT北大とともにインカレ決勝を戦う日を夢見て、そしてまた北海道勢としてO樽商大とも切磋琢磨し北海道ボートのレベルと意識を上げるために、北の雄はボートに情熱を注ぎ力を蓄えていきます。
これからのH海道大を引っ張っていくY岡選手とO西選手、しかし水産学部のY岡選手は来シーズンから函館キャンパスに移りH海道大水産学部として活動、1Xを漕ぐ予定だそうです。インカレでまた来年、H海道大女子の復活をめざして、そしてW1Xではエンパのレース艇「K名子」の艇上にY岡選手の姿があるのでしょうか。
いまのH海道大ボート部、東京都出身のY岡選手、愛知県出身のO西選手をはじめ、関東、東海、関西、九州など全国から集まっている選手が多いようです。さまざまな背景を背に、大志を抱き全国にH海道大の旋風を巻き起こすその日を待ちわびています。






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K戸大 M井選手
K戸大1年 M井K望子選手
156cm54kg T王寺高出身
Rising Star女子編、最後にご紹介するのはやはり未経験の女子漕手、K戸大1年M井K望子(MATSUI・KANOKO)選手です。
未経験で1年!?そう、なんとM井選手は大学でボートを始めているにもかかわらず、1年生ながらインカレではW4Xの2番として出漕したそうです。
K戸大といえば、今年のインカレはW4+が対校でメダルまであと一歩の決勝4位、過去最高順位タイとなりインカレの活躍は記憶に新しいところです。しかしK戸大はセカンドクルーも強く、基本K戸大女子はとても層が厚く強い女子チームです。しかしほぼ未経験なのですが、今回はW4+には経験者2人乗っていましたね。しかし、セカンドのW4Xは全員未経験です。そんな中で、4年2人、3年1人というW4Xに、ボートを始めてまだ半年の1年M井選手がインカレクルーに抜擢されたのです。K戸大の1年は、今なお男子20人女子10人とのことで、女子漕手も6人を数えるようです。M井選手は大柄というわけではなさそうですが、高校では水泳をやっていたということでその持久力などを見込まれたのか、やはりボートは水泳と相性いいようですね。

ボートを始めて間もない1年生をインカレに出す。これはあまり多くは見られない例であり、体力的に優れた新人はそれなりにどのチームにもいると思いますが、やはりネックは技術やレース経験です。このレースを経験させるという点でも、小さな大会やオッ盾などでデビューさせたり、新人戦まで待ってレースに出すのがほとんどです。ちなみに私もコーチ時代は何度か1年をインカレに出しましたが、やはりレース経験をさせるという意味で1Xで出てもらったことが多く、1年だけの4Xなども出したこともあるのですが、未経験の1年をクルーボートに乗せるというのはハードルがかなり高いことだと思います。
やはりK戸大W4Xも当初は苦労したようで、M井選手自身がたくさんの先輩に教わってレースを迎えたといいながらも、「漕ぐたびに私がクルーに迷惑をかけていることがわかってきました。こんな状態でインカレなんて出れるのか、ただただ焦ってどうしようもなく、1人で泣きました」と、何度も悩んでしまったそうです。この気持、先輩のクルーに乗ったことがあるほとんどのボート選手はいやというほど分かるはず!!共感の嵐だと思います。

しかしインカレクルーでのハードな練習の中で、あるとき脚で押している感覚に出会って、初めて「楽しい」と思えたそうです。自分がボートにハマった瞬間だと。それからは支えてくれる同期の存在もあり、「ボートを速く漕ぐこと」だけに集中でき、クルーのメンバーとして勝つことへ向かっていけたということです。
K戸大クォドは、予選はうまくいきませんでしたが敗復では経験者だけで固めるあの強豪T国際大にも1000mまでわずか2秒差で食らいつくことができました。この、強豪と競っている何とも言えないワクワクドキドキの高揚感。インカレ5位になったD大とも2艇身差。ただ、後半は落ちてしまい結果的には離されての5着で敗退してしまいます。
全力を出し切ったが、いまの自分たちではこれが精一杯。来年必ずもっと強くなってみせる。

そんな決意で、大学ボート1年目のシーズンはインカレという1年生にはなかなかできない大きな経験をしたのでした。
T北大のインカレW4X3位になった主将のK門選手も、1年からインカレW4X+に選ばれて貴重なレース経験をして、それがやはり大学ボートの原風景となって主将となりインカレメダルにまでたどり着いたのですね。
このインカレで、意識が変わる。大きく自分が変わるきっかけとなる。その気持、意識、行動を、同期に対して、そしてチームに対して共有し、皆で強くなる。
このインカレが、M井選手のようにまだ始めたばかりの選手が感じた感情を、大きな意識の飛躍として。将来のより高みへのRising Starとなるきっかけ、大きなエネルギーとなるように。









いかがだったでしょうか。前編から盛りだくさんの内容でしたね。
2021 RISING STAR、後編に続きます!

次回の更新は男子編、リストアップはしているのですがしばらく忙しくほとんど進まないと思うので、もしかしたら年内に更新できないかも?その場合はご容赦ください。






○TT東日本のS々野選手のTVドキュメンタリー番組出演を記念して、当ブログでのインタビュー記事を再掲載させていただきます。2017年11月20日の記事で、もう4年前のことになりますね。

もしまだご覧になったことがない方は参考になる部分があるかと思いますし、以前読んだ方もまた違ったアイデアや考えが生まれるのではないかと思います。
もう再掲載するのも2回目になりますが、Rowing談義の創造的空間は時が経っても全く色褪せることなくその時間と空間のなかで輝いています。Rowing意識が高く、常にボートのことを考えながら社会にも目を向けている人との話は本当に次から次へと多くのイマジネーションと発想を生み出す魔法の時間です。そして、とても楽しい時間となります。T田中クラファンのページでも、W大ボート部ご出身のNHK大アナウンサーであるK屋F士雄さんも「ボートは創造のスポーツです」とのメッセージが寄せられていましたね。

できればもっとこうしたワクワクするインタビュー記事をもっと書く機会があればいいのですが、コロナでなかなかできなくなってしまいましたからね。当ブログのインタビュー記事は数年に一度くらいの頻度になっていますが、またチャンスがあればという感じです。

ぜひ若い学生の選手も、成熟した社会人選手も、日本一、世界一の選手めざして夢は大きく、Rowingを究めて楽しみ尽くす日々を送ってください。そして、Rowingのコミュニケーション、会話、言葉のやりとりを、たくさんたくさん創造し増やしてください。偉大な指導者や先達の言葉を自らの意識に取り込み、それらを仲間と交わし、自らの経験や思考と戦わせ、意識を更新する日々を。ボートのことを考え尽くす日々が、そのままボートの速さとチームの高いレベルの意識へとつながっていきます。

それと、残念ながら東京五輪では実現しませんでしたが、五輪でのJAPANエイト挑戦の夢、まだまだあきらめていませんよ!!
いつか必ず。






2017年11月20日記事

「アスリートインタビュー!~FILE-10」

2年半の沈黙を破って再びブログに登場、Rowing選手のインタビュー。2015年4~5月に連載し、一部で好評を博しましたこのシリーズ、以前から機会があればと狙っていた社会人トップ選手へのインタビューが実現!

帰ってきたRKこと「Rowing no Kokorozashi」が日本Rowing界の世相にズバッと斬り込み快刀乱麻、奇想天外なジャーナリストぶりでアスリートの真実と本懐に迫るという、ブログ紙上を所狭しと駆け回るドタバタ活劇だ。ちなみにRKとは、WRこと「World Rowing」のパクリにほかならない。いや、WRにおける数々のインタビュー記事のひそみにならって、リスペクトしつつ日本でもRowing専門誌のような記事をと、意欲的な記事作成をめざしたのが事の発端である。透徹したジャーナリズムこそが日本Rowingを活性化し意識の錬成を促すのだ。と同時に、Rowingの魅力とは人の魅力、すなわちRowingに関わる選手たちそのものの魅力であるという確信が魂を衝き動かしているところも大きい。ボート選手こそがボートの魅力。若きアスリートたち、生き生きとその燃え盛る生命力を艇上パフォーマンスとして躍動させよ!


今回のアスリートは何と、2年連続M8+日本一になったばかりのホットな選手、天下の○TTM8+において百戦錬磨かつ無敵のトップ漕手たちをリードする艦長であるCOXのS々野H輝選手だ。
2年連続日本一となったエイトのCOXであるS々野選手、実は以前からRKとは個人的に何度かお会いしてボート談義を交わし、メール等のやりとりもさせていただいている方である。以前会った際に、「今度インタビューをお願いします」と依頼していて、今回、「いいですよ!なんかこう、ムーヴメントを起こすなら今かなという気がします!」という熱いやりとりののち、全日本選手権優勝の直後という絶好のタイミングで実現に至った。時には起こせよムーヴメント、というわけであり、それは何かと言われれば東京五輪COXムーヴメントだ。日本ボート改革ムーヴメントにもつながればよい。

戸田の某店にて行われた4時間半というロングインタビュー(実話)。よって、今回の記事も長文注意だ。COXの真髄について語り尽くす熱のこもった漢たちによる対談という名の格闘がいま始まる―。(N○mber風)







Rowing no Kokorozashi(以下RK):まずは全日本M8+2連覇、おめでとうございます。○TT、たいへん強かったですね。
S々野H輝選手(以下SH):ありがとうございます。山内さんは世界選手権帰りのA川選手がM1Xという予想をしてましたけど、M8+の6番でしたよ。
RK:本当にパワフルなクルーでしたね。エイトのことはのちほど色々聞かせてください。ところで、S々野さんは私のブログも読んでくださっているということで、日本一のCOXも読んでいる「Rowingの志」というアピールをしてみたいのですが(笑)、どの記事が印象に残っているか知りたいので教えてください。
SH:いつも欠かさず読んでいるわけではないんですけど、COX技術論の記事はひととおり読ませてもらったと思います。
RK:いつも読んでいますと言ってください(笑)。あの記事はCOX技術を具体的に突き詰めようと思い立ったのがあり、S々野さんとは初期のやりとりで技術についての意見交換もさせていただきましたが、ああいうやりとりがヒントになったのがきっかけで出来上がった企画ともいえますよ。
SH:あ、でも山内さんのブログ、僕のスマホ画面にはちゃんと登録してありますよ!
RK:ありがとうございます!S々野さんのスマホにブックマークされている「Rowingの志」ブログ、それだけで箔がつきますね~(笑)。
SH:「COX技術論」の「世界のCOX」のことが書いてある記事は良かったと思います。アメリカ女子COXメアリー・ホイップルと、カナダ男子COXのプライスでしたね。海外有名選手への興味はマニアックな知識だけではなくて、背景や戦績など色んな情報があることで興味が広がって、真似したいとかこういう選手になりたいといった気持を起こさせてくれると思います。強くなりたい、上手くなりたいという純粋な動機にもなりますし。僕は小中とサッカーをしていましたが、スーパープレー集みたいなビデオを観ることもありました。ボートでは、「良いフィニッシュ特集」なんてのは難しいと思いますけど(笑)、やっぱり、憧れって大事ですよね。
RK:今回のブログ記事でも、S々野さんが日本全国のCOXの憧れになるよう貢献できれば何よりです。

RK:初めてS々野さんと連絡をとりあうようになったのが、2013年のまだT北大4年でいらした時だったと記憶しています。ちょうど東京五輪が決まったとき。
SH:そうでしたね。山内さんの東京五輪決定のブログ記事を見て、COXが五輪に出られる方法はないかということをお聞きしましたね。
RK:あれから4年経ちましたね。行動を起こすなら今、ですか。
SH:もう時間がありません。日本ボート界には、ぜひエイトで世界に挑戦できる道すじを用意してほしいです!


SH某店にてインタビュー①
〈プロフィール〉
S々野H輝
身長:172cm
体重:55kg(レース時)
年齢:25歳(今年26歳)
ポジション:コックス
サイド:バウサイド(稀に漕ぐとき)
経歴:福岡県立T筑高校→T北大学教育学部教育科学科→○TT東日本
漕歴:11年(高校から始めて、社会人で4年目)
出身:福岡県



RK:COXとしては背が高いですよね。私は166cmほどなんで。
SH:そうですかね。でも、180cm近いCOXもいますし。
RK:私の後輩COXも172cmでしたし、確かに170cm後半のCOXもいますね。減量がたいへんだと思いますが。
SH:今回の全日本、減量は苦労しました。日頃から体重には気をつけているのですが、今回は減量開始時に増えすぎてしまっていたので直前の追い込みはちょっとしんどかったです。


RK:ボートをはじめたきっかけを教えてください。
SH:高校での勧誘です。入学して、勧誘で声をかけられて初めてボートというスポーツがあることを知りました。高校からはまだやったことのないスポーツをやろうと考え、弓道と悩みましたが、試乗会でボートを漕いでみて、それまでに経験したことのない新しい感覚を純粋に楽しいなと思って入部を決めました。あとになって漕がない人が前に座っていることに気がつくのですが・・・。
RK:S々野さんは初め漕手だったんですか?
SH:漕手と言っても、最初の3カ月少し漕いだくらいですね。先輩は僕の小さな身体を見てコックスにしようと決めて声をかけたらしいです(笑)。
RK:そのあと身長が伸びたんですね。私も多少は陸トレ乗艇エルゴはやりましたから、漕手からの転向とまではいえませんね。私と同じで最初からCOX専門といえますね!
SH:強い部ではなかったので、全国大会に行けるよ!という威勢のいい誘いに惹かれたとか、先輩が大学で続けるという土壌もなかったので、推薦で有名大学に行けるよ!とか、そういう謳い文句や理由ではなかったですね。

RK:でも、高校では国体に出られたんですよね。ご出身は福岡県北九州市で、進学校のT筑高校とのこと。
SH:国体といっても準決勝ですし、インハイや選抜にも出ただけという感じで。顧問の先生はボート部歴はそれなりに長かったのですが、競技経験は無く、どちらかというと、僕たちにあれこれ指導されるわけではなく自分たちで考えて取り組むというスタンスでした。T筑高校は僕のときではありませんが、インハイM4X+4位が最高だったと思います。
RK:指導者が特別いないのに全国4位というのは相当な快挙だと思いますよ。高校ボートは名指導者揃いじゃないですか。自分たちで考えてクルーやチームを作っていくという文化ができたのは素晴らしいですね。



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今回の記事ではご本人承諾のもと○TT東日本ボート部公式サイトよりいくつか写真転載させて頂きました

〈ボート選手としての主な実績〉
【T筑高校時 2007~2009】
2008年 国体少年M4X+ 準決勝ベスト16(高校2年)
【T北大学時 2010~2013】
2011年 全日本M4+4位、全日本新人M4+4位
2012年 インカレM8+6位
2013年 インカレM8+4位(大学4年)
【○TT東日本 2014~2017】
2014年 アジア大会M8+銀メダル(社会人1年目)
2016年 全日本M8+優勝 (軽量級、社会人、OX盾、全日本すべて優勝の4冠)、アジア選手権M8+準優勝(○TTが日本代表として単独クルーで出漕)
2017年 全日本M8+優勝 (全日本社会人M8+優勝、オックスフォード盾レガッタ優勝。国体成年M4+準優勝)


RK:最も印象に残っているレースを挙げてください。
SH:2013年インカレ、M8+準決勝です。T北大M8+がインカレ決勝を決めたレースです。
RK:このレースを選んだ理由は?
SH:僕の先輩Y崎さんの、大好きな言葉からお借りします。「この時期ボートに対する気持は特別だったため」。それが理由です。
RK:Y崎さんは、S々野さんのようにT北大から○TT東日本でボートを続けられ、日本代表にもなった方ですよね。1995年T北大インカレM8+優勝の7番ですね!
SH:そのY崎さんが、2005年世界選手権岐阜大会でのパンフレットに載せた言葉なんですよ。「この時期」というのは、その1995年インカレ優勝のときのレースのことですが、僕にとっては2013年のインカレがまさに「この時期」だった。

SH:僕は高校で実績もなく、志願兵みたいな気持で大学ボートに飛び込んでいきました。高校の時、ある方にT北大のボート部をすすめられたんですが、それがきっかけとなって強い国立大に入って私立大エリートたちに勝ちたいと思うようになりました。ボートをやるためにT北大に入ったんです。
そこで、東日本大震災に遭いました。新2年になる直前の3月11日です。名取市にあったT北大艇庫は津波が2階まで達してボートはバキバキに折れ 、仙台での練習環境を失いました。(注:T北大ボート部は当時戸田艇庫に春合宿に来ていたため部員は全員無事だった)その後全国のボート有志の方々から多大なる援助や寄付を、T北大ボート部のために頂いたんです。H海道大からの寄付などは、自らの年間予算よりもはるかに大きい額にまで上ったと聞いています。
RK:すごい話です。震災わずか2カ月後、5月の軽量級ではT北大LM4-が見事準優勝しましたよね!震災に負けない、復興への希望だとNHKのニュースに取り上げられ、私は録画して今でもとってありますよ。
SH:そこまでしてもらって絶対に負けられない2011年インカレ、臨んだM8+。しかし敗けて、敗復落ちとなりました。震災があった年、ものすごく支援をしてもらったのにも関わらず敗復落ちだったんです。(注:T北大は優勝1回、準優勝2回を含み確か16年続けてきたインカレM8+最終日が、この年の敗復落ちで途絶えてしまった)
僕は2年生で残念ながらこのM8+に乗っていませんでしたが、ここから這い上がろうと。ここから再スタートが始まったんです。
2012年、前年の敗戦でこのままでは終われないと、2人も希望留年した先輩がいまして、この年準決勝でW大に2秒届きませんでしたがインカレM8+6位。
RK:順位決定、S台大との東北対決は名勝負でした。毎日更新ブログで有名だった「塾長日誌」でおなじみ、H海道大からT北大院生になったO田さんもバウで乗られていましたね。

SH:そして2013年、僕の大学ラストシーズンです。この年も留年した6年目の選手がストロークとして続けていましたし、僕の同期漕手3人全員が乗っていました。
RK:今年M4-で速かった選手も2年ながら4番に乗っていましたね。今につながるM8+でもありましたよね。
SH:震災から這い上がろうと、どん底に落とされた敗復落ちを挽回すべくここまでたどり着き、自身最後のインカレです。大学でボートを続けるときに決めた目標であるインカレエイト優勝、ここでやらなければいつやるんだと、クルー全員が燃えていました。このインカレ準決勝、相手は前年も準決勝で敗れたW大とC大がいて、そのほかT大もいました。しかしT北大M8+のクルーが一つになってスタートで出て、その後U23代表になるN田君ストロークの強豪W大にコンスタントで出られますが、スパートで差すというボートの楽しいところを存分に味わったレースでした。好順風でしたがスタート500mで1'22が出て、5'47という戸田でのT北大M8+歴代最速レコードを出すことができました。
RK:「この時期ボートに対する気持は特別だったため」とは、そういう流れがすべて背景にあっての言葉だったんですね。
SH:残念ながらインカレM8+決勝では飛ばし過ぎてうまくいかず、4着と敗れてしまいましたが・・・。スタート500mまでは日本一だったんですけどね(苦笑)。
憧れて入ったT北大の成績も悪くなり、震災にやられて艇庫も使えなくなり、練習場所も変わった。しかしそこからエイト優勝をめざして、一から皆と一緒にクルーとチームを立て直し、2年間でインカレ決勝の舞台にまで戻ってきたんです。

(この話をしていくうちに、特にたくさんの支援を思い返しながらだんだん目がうるみはじめ熱く話すS々野さんを見て、本当に多くの人の気持とあふれんばかりの思いを乗せていたのだとRKは感じた。インカレにかける思いは多くの人たちの思いと希望を乗せ、そして情熱と若いパワーを増幅させる。まさにインカレがボート人を大きく成長させるのだと)





RK:T北大でも活躍されたS々野さんですが、社会人強豪チーム○TT東日本での活躍についてもお聞きしたいと思います。トップチームの動向や情報は多くのファンの関心の的です。○TTの強さと今年の全日本についてお聞かせください。
SH:今シーズンは、全日本に至るまでに社会人選手権、東日本選手権、OX盾にM8+として出漕しました。全日本社会人では、ベストメンバーではなかったんですがタイム5'44が出てまずまず、東日本は優勝しましたが社会人選手権からの大きな積み上げはできず。個人的に大きかったのは9月頭のOX盾でした。代表選手6人不在で(世界選手権のA川選手、アジア選手権のT野選手、O塚選手、N溝選手、A木選手、M浦選手の計6人を欠いていた)、国内の漕手が8人ぎりぎりという状態でOX盾M8+に臨みましたが、逆に誰一人欠けてはいけないという意識が一体感を生み、良いパフォーマンスで優勝。初めてM8+で優勝できたという選手もメンバーにいました。その後、代表選手が戻り国体を経て全日本M8+を組みましたが、これが最初は全然調子上がらずスピードと感触がイマイチでした。
RK:○TTほどのチームでも、全然艇が走らないことがあるというのは意外な気もしますが、私も長年ボートに関わりトップチームだからといっていつも調子が良いなどということは決してないということは分かってきました。こうした調子の浮き沈みは世界を見てもよくあることですね。
SH:しかし、直前で一気に変わりました。ロウパーフェクト(4人連結エルゴ)で合わせるなどこれもきっかけの一つでしたが、暫定クルーを全日本前に組んだ時から、メンバーの入れ替えもあるぞとコーチに言われていて、最終的にクルー決定したのが全日本の約1週間前です。
RK:ええっ!?そんなに直前だったんですか。
SH:でもそれがOX盾のときのようにクルーがまとまるカンフル剤になったのかもしれません。M2-は残念ながら4位でしたが、M8+優勝、M4-優勝という結果につながったと思います。
RK:聞くと現在チームは漕手14人体制ですからね。これをいかにクルー編成しいずれも結果に導きクルーとして仕上げていくか。社会人チームでも、このへんコーチやチームリーダーによる編成マネジメントや人心掌握などがカギになってくるのは大学チームと同じ、人事面での戦略的な動向や作戦は興味深いところです。
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RK:S々野さんの公開した2017全日本M8+決勝のコール動画、今回話題になっていますね。私も見させてもらいましたよ!
SH:あれについては自分が意見を聞きたいくらいなんですよね。いくつか反応をもらって、良いと言ってくれる人が多かったので意外でした。もっと否定的な意見もあるかなと思いましたので。
RK:私も常にブログに関する意見を色んな人に聞きたいところがあるので少し似ていますね(笑)。人は何か発信をすると、よりよくしたいと反応が欲しいものなんですよね。
SH:コール内容はどうでしたか?
RK:私の個人的な意見になりますが・・・。まず、私も自分の理想に合っていて良かったコールだったのではないかと思います。スタートのスパートにはじまり、脚蹴りの水中コールが何本も入っていますよね、地点ごとと勝負どころだけとかいう生易しいものじゃなく、ほぼ常に。500mの間に10回くらい水中コール入ってるんじゃないでしょうか(笑)。極論すれば脚蹴り200本が2000mレースであり、常に全力のドライブを続けるのが重要ですから、あれでいいのでは。第2でも絶対出てやるんだという感じ、あそこで完全に主導権を握ることに成功し、良かったですよね。むしろ第3が落ち着いて高い声のトーンもやや落ちていた場面があり、もったいない気がします。
「2017 第95回全日本選手権 エイト決勝(COXコール付き)」

SH:なるほど。確かに第3Qが少し落ちてしまっています。
RK:レースは生き物だから、レベルが高くなるほどスピードを先に落とした方が負けになりますが、勝負どころが展開の中で次々やってきますからね、水中コール連発はむしろ必須です。しかしただ上げるのではなく、COXは水中の「張り」「弛み(ゆるみ)」に敏感でなくてはいけない。「ゆるめるな」というコールがありましたが、あれはいいですよね。弛みは緩みでもいいのですが、強くてつながった張りのある水中が、まったり弛んでしまうとスピードが落ちリズムが重くなる。エルゴでは毎ストローク、タイム表示として出てくれるので分かりやすいですが、艇上ではそれをCOXが感じてマネジメントしないといけません。水中マネジメントです。
SH:水中マネジメント!このキーワード、好きそうな部員の顔が浮かびます(笑)。

RK:COXの語彙は、反応してくれなければ困るのでキザっぽくなりすぎない程度にとっておきの表現があるといいですよね。水中マネジメントが艇速のマネジメント、タイムのマネジメントになります。あとは、漕手は疲れが来て乳酸との戦いになる前に、集中力との戦いになるので、この集中力をつなぎとめ鋭敏にさせ続けるサポートをCOXがしなくてはいけません。どこかで意識が飛んだり散漫になったりするじゃないですか、集中がなくなると即水中が鈍ってきますので絶対に集中を続けさせるようにします。
私は現役時代はCOXとして実力がありませんでしたが、コーチをやってエルゴ2000mT.Tのコール役をひたすら経験することで鍛えられた気がします。あれは、漕手と傍らで付き添うコール役との完全に共同作業ですし、2000mコール役も一緒に一体化して集中しないと漕手の刻一刻と変動する心技体に対応し調整することができません。漕手が揺れ動くのは、出力、集中、身体リズム、音感によるRowingのリズム、緊張度合とリラックス、攻める気持、自信、勢いに乗れているかどうか、タイム表示に振り回されるメンタル、ベストへの強い執念と平凡なタイムへの妥協、などさまざまです。コール役も一緒に2000mを戦い、タイミングと言葉の選択と集中力が相当養われます。安定して強い水中と一定のリズムを継続することが目的です。それがイーブンペースのハイレベルなタイムやベストスコアにつながります。あれで個人的にはかなり鍛えられた気がしますね。漕手のT.Tは一発で終わりますが、コール役は4、5回連続して付き添ってレースやりますから。
SH:たいへん勉強になります。
RK:S々野さんのインタビューなのにこちらが語ってしまって申し訳ありませんが(笑)、それくらいコールは重要だと思うんですよね。レベルの高くないクルーがただ脚蹴り連発しても失敗すると思うので、こういうのは漕手もCOXもレベルアップしていくことが大事だと思います。逆に例えば、ずっと我慢して勝負どころだけの脚蹴りイベントで勝ったレースもあります。答えは一つではないと思います。

SH:ちなみに、うちのチームでは脚蹴りとは言わず、「アタック」と呼んで統一していますね。あと、アタック10本とか言っても数えてるのは最初の数本だけでしたね(笑)。
RK:まあ、本当に10本全部数えられてもね(苦笑)。5本目くらいで言ってるこっちも飽きちゃうし、雑念が入ったり他のことが必要になったらそっち優先でOKでは。要はコールの声のパワーとかも大事ですよね。
SH:技術的には、「前から」の立ち上げ、それと「体重乗せる」、「フィニッシュポジション」、ここをポイントにコールを入れていました。
RK:「前から」はキャッチの立ち上げなので、大きい艇になるほど最重要ポイントですよね。「体重」は、体重と重心の混同に注意しないといけないですよね。(S々野さんと体重と重心のイメージが一致していることを確認)
それから、「キャッチポジション」ではなくて「フィニッシュポジション」を重視されていたんですね。
SH:ストロークのT野選手がフィニッシュを(身体の角度で言うと)浅くとっており、リカバリーで体重を戻すのが早いために、あとの選手の方がフィニッシュで後ろに重心が残る傾向がクルーの課題だったんですよ。早く重心を切り替えるためにフィニッシュポジションを深くとりすぎないこと、そして強く押し切ることを意識してもらっていました。
S々野選手 COXコール



RK:○TTの強さの秘訣は何でしょうかね?
SH:やはりパワーのある選手が揃っています。そこに尽きるでしょう。
RK:確かに、パワーこそ安定したパフォーマンスを発揮します。一番信頼できるテクニックだといえるかもしれませんね。M8+のエルゴスコアは?
SH:そこは了解をとっていないので個々には公表できませんが、エルゴのクルー平均は20秒は切っています。
RK:おお、やはりすごい数字ですね。
SH:計算上はM8+なら5'43が出るはずなんで、今回もそれくらい出たのではと。
RK:無風でそれくらいでしょうね。5'40切れるポテンシャルはあるでしょう。
SH:そこはまずクリアしなければいけないタイムだと思っています。

RK:決勝のレースプランはどのようなものだったか聞いてもいいですか?
SH:レースプランは事前に決めています。コーチと漕手で確認し、どこでアタックして、どこで切り替えるか。切り替えとは、スタートからコンスタントのところですね。
RK:ここが永遠のテーマですね。スタートからコンスタント。飛ばし過ぎではもたないし、短いまま効率の悪い漕ぎになってしまう。コンスタントで落ち付け過ぎると水中の強さやレートが低くなってしまう。リオ五輪のアメリカW8+も、飛ばしてきたカナダとオランダに対し先手を譲りますが序盤のリズム作りに神経を使って世界一のコンスタントを作り、中盤以降堂々と抜き去った。
SH:今回スタートは、特別相手より出ようとはしていません。スタートスパートのまま300mを大きく過ぎてしまうと、結局乳酸が溜まり後半に落ちるからです。無酸素は40秒までです。
RK:いわば40秒ルールですよね。私も必ずそこを意識して、それ以降のスピードは有酸素で対応しないと負債を抱えたレースになります。エルゴでは相手とのレース展開がないのでそこを遵守させます。しかしレースはタイム表示を確認しながら漕げるわけではなく、勝負と位置取りとスピード感の展開があります。展開を読んで、40秒以降まで引き延ばすかどうか、ここが戦術の駆け引きになります。
SH:今回は少し伸ばして結果的に1分くらいで切り替えになりました。そのために第3Qで少し落ちてしまったかなと見ています。
RK:結局、勝負を優先するか、トータルタイムを優先するか。一見、結局はトータルタイムがいいほうが強いということになりますが、必ずしもイーブンペース最強というわけでもなく、戦術面での先行策は後続クルーの力を思い通りに発揮させなくすることができます。
SH:そうですよね。できれば先行して、相手を見てレースを有利に進めたいですからね。

RK:来シーズンはどうなんですか?M8+は3連覇に向けて。
SH:そうですね、そこが目標になります。うちのチームでは全日本のエイトが絶対なんです。これまで全日本M8+4連覇がチームの最高記録なので、5連覇をめざして頑張ります。




    *********        *********




RK:では、COXのS々野選手個人について、もう少し内側に迫っていきたいと思います。COXとしての自分の特長は何ですか?
SH:うーん、特長はないですよ。社会人トップチームに入って正直、色々と技術的な壁に苦しんでいます。僕は才能溢れるCOXと比べてセンスはないし、COXに向いているなとも実はあまり思っていないんです。今年の代表COX選考では、乗り比べによる落選を経験しました。
RK:それではちょっと(苦笑)。特長はありますよ、自分で言うのは難しいかもしれませんが。
SH:けっこうネガティブなんで。強いて言えば、「見捨てないこと」(自分も他人も)ですかね。頑張っている人に付き添ったり、一緒に向上しようと、どこまでも付き合えることです。
RK:それってコーチに必要な姿勢かもしれませんね。S々野さんは教職もとられていたそうだから、教師としても必要なことかも。
SH:ラダーも器用で上手なタイプではないし、思ったこと感じたことをすぐに言葉にできるわけでもない、そんなCOXです。しかしM8+は組織の力であり、個人の力で進める艇ではありません。時間をかけて信頼を築くことができるのではないかと自分では思っています。
チームの先輩COXだったO村さん(2000~2013年○TTの正舵手)は、話を聴いて想像する限りでは、良い素材と自身のセンスを生かして素晴らしい料理を作り上げるシェフというイメージの人ですが、自分は肥料から始めて種をまき育て見守るようなタイプではと。例えば先ほど言った今年のOX盾M8+ですが、僕が間に入ったりして地道にはたらきかけたこともあってか、漕手同士で教え合ったり、コミュニケーションを密接にとるようになりました。それによって、今まで伸び悩んでいた漕手が生き生きとし始めたんですね。プライドの高いエリート選手の集まりであるこのチームには今まであまりなかったことで、そういうきっかけづくりになれたのではと。
RK:それってとても大切なことだと思いますよ。COXってまさにそういう潤滑油の役割というか、間に立っての媒介の役目を果たせる存在と思っています。
SH:触媒とでもいうんですかね。そういう地道で陰のはたらきなら自信はあるのかなと。そもそも、漕いでもらわなければCOXがいるだけではボートは進まないですからね。ひとりでは何もできないんです。
RK:今風に言えば陰キャですか!?(笑)よく意味を知らないで私も今使ってみましたが。しかし、陰のはたらきあってこそ光り輝くクルーがいるのだし、陰に徹してきた私などからしたら、陰こそ主役だと思っていいと考えます。COXはもともと見えないはたらきをする存在ですし、立派な特長ですよ!
sasanoさん伴走


RK:好きな種目とその理由は?
SH:もちろん8+です。理由は一番難しい種目だからです。難しいからこそ、チャレンジしたい。例えば4+の4人や5人はまとまりやすい。グループ単位としてもベストな人数だと思います。でも、9人はまとまりにくい。人間関係の構成人数としても難しいですよね。艇としても難しい。それだけに、チャレンジしがいがあるんです。
RK:確かに、人が多いし艇は大きいし、一番難しい種目だからこそエイトは特別なんでしょうね。
SH:あと、2+にも興味ありますよ(笑)。
RK:いやー、あれは面白いですよ。たぶん、COXにとっては一番自分が動かし関与している感があるんじゃないでしょうか。
SH:M2+、M4+、M8+のCOX三冠を達成した人はいるんですか?
RK:いえ、さすがに知りません(笑)。それ三冠なのかも知らない(笑)。インカレならN大あたりにいてもおかしくないですが、全日本となるとどうですかね、いないんじゃないでしょうか。
SH:これも、COXとしては目標のひとつですね(笑)

RK:尊敬するボート選手やボートに関わる人を教えて下さい。身近な人でもOKです。
SH:三人います。A部さん、T辺さん、M澤さん です。
そうですね、まず、T辺さんからいきます。(C大出身、元日本代表)○TTの前監督をされた方で、人として尊敬しています。紳士で、まめで、とても丁寧な方です。自分に厳しく、人に優しい。僕が○TTに入るきっかけとなった監督でもあります。そして決してボートが強いとか実績とかを自慢しない人です。3度もオリンピックに行ったすごい人なのに。結果や成績を自慢することはないですが、やりきったことの話は聞いたことがあります。僕にとって、この人とならボートがなくても一緒にいたいと思える人です。
それから、M澤さん。T北大の現ヘッドコーチで、先輩です。ボートに対する情熱、もうその一言です。インカレM8+優勝の代、先ほどのY崎さんと同期の方です。
RK:長年T北大に関わっていらっしゃいますね。男子のM8+実績、近年は女子の全日本実績と、名指導者ですよね。背はたぶん私と同じくらいなのに、漕手としてインカレM4+準優勝、インカレM4X優勝の実績をお持ちであることを知っています。
SH:最後にA部さんです。(C大出身、元日本代表、現S台大監督)こちらも、たいへん尊敬しています。会うとボートの話になるのですが、どちらともなく話していたのに、「ごめんね、引き留めて。ありがとう」といって、去って行かれます。必ず一歩引いて、めちゃめちゃかっこいいんです。
RK:A部さんのお人柄は、色んな方面で聞くところです。まさに紳士、カリスマですよね。A部さんを慕って、全国からボート選手が集まっていきます。ボート競技が誇る人格者、人間性の鑑でいらっしゃる。私もボートに関わる者のはしくれとして、そんな人たちのつくるクルーだからこそ、偉大なライバルとして勝負し、かつ学びたい成長したいという気持にさせてくれます。


RK:ボートのここが好き!ボートの魅力とは何でしょうか。
SH:そうですね・・・。努力である程度のところまで行けて、それに応えてくれるところですかね。自分を肯定してくれます。あと、もう一つの魅力はヒーローがいないこと。特にエイトです。誰かが突出していても勝てない。何というか、「全員が同じタイミングで同じ内容について悩み、全員が同じタイミングで喜べる」というのが魅力かなと。
RK:確かに、全員が揃って同じことで悩んで解決しようとする日々ですよね。
SH:ボートは結果に対して全員が責任を持ちます。そこで実力の差や個々に違いがあっても、それは全員の責任になります。例えばキャッチやフィニッシュなど、全員が同じことに同時に解決に向かっていきます。他のチームスポーツでも、なかなかここまで課題や責任が1つのこととして共通しているスポーツって少ないですよね。
RK:それこそが究極のチームスポーツと呼ばれる理由だと。
SH:また、精神と肉体が限界の状態でクルーに対してどうふるまうのか、自分とクルーとどう向き合うのか。自分を出すのか、それとも引くのか。何か、常に試されているというか、葛藤の連続なんですよね。こういう極限の中で人間性を高めてくれるのがボートという競技だと感じています。
photo_otsuka_1.jpg



RK:現状の課題は何ですか?
SH:ラダーは常に課題ですが、クルーによって異なるのでこれは置いておいて。
僕の課題は、短い言葉と、瞬発力ですかね。社会人チームに入った当初は、極端なくらい考えてしゃべるタイプでした。しゃべるのに準備が必要なんです。考えてしまう。しかし、今のチームで必要に迫られたというか、考えないでどんどんしゃべれるようになってきています。
RK:なるほど。例えば若いときは口が動かないことはよくあるかもしれませんが、それもトレーニングというか日常での必要性で大きく変わるでしょう。無口が饒舌になる例はたくさんあると思いますし、慎重すぎて口が重かったり腰が重いと組織で動けない。
SH:乗艇中に、以前は長ったらしく喋っていたのですが、だいぶ短くわかりやすい言葉になっていったと思います。あまりに簡潔でもそこには意図があるので、乗艇から上がってから補足説明はするようにしています。短くなりすぎて分からなくてもいけないので、キーワードのコールと、簡潔ながらも分かりやすい説明とのバランスをとるのが今の課題ですね。


RK:今シーズンの目標を聞かせてください。
SH:国際大会に、世界選手権とワールドカップにエイトで出ることです。
RK:おお、出ましたね、ムーヴメント!もちろんCOXとしてですね。これは個人の実力だけの話ではありませんが。
SH:だって、今年出ないともういいかげん間に合わないじゃないですか。
RK:確かに。というか、もう2018年になりますからね。
SH:負けてもいいから、出ることが第一歩です。未だエイトでオリンピックの枠を獲得できるレベルではないですが、僕はとにかく出て、コテンパンにやられて生のスピードを体感したいです。そこから成長したい。パワーがない選手は、自分にパワーがないことを置いといて、テクニックでカバーしようとします。しかし、パワーがないことは事実なんだから、その弱点や課題と向き合わざるを得ません。下手なんだけどパワーがあるクルーに思い切り負ける経験をすれば、いやでもパワーが必要だと思い知らされるはずです。
RK:そのパワーの無さと、日本ボートは向き合わなければこの先ずっと克服できず今のままだと。技術は勝ってるとかは、確かに負け惜しみですからね。あとは、そういうゴリゴリのパワークルーに一緒に乗るとか、一緒にトレーニングするとか、そういう世界基準が自分たちの基準と同化するような、真似をするような、そういう試みも不可欠ですね。
SH:逆もしかりです。力任せに漕ぐ選手が、分かりやすくするために例えばオープン選手が、テクニックで上回る軽量級の選手に負ければ、漕ぎをもっと洗練させようとするはずです。
東京五輪ムーヴメントに関するブログ過去記事
「東京オリンピック!」 2013年9月
「東京オリンピック!2」 2013年9月
「JAPANエイト、バルセロナの挑戦」 2013年9月
「東京五輪へ向けて。軽量級の種目改正問題と、重量級のチャレンジについて」 2016年9月





RK:では、ボート以外のことも聞きましょう。オフの過ごし方は?
SH:日曜がオフなんですが、日曜でも個人練習に付き合ってと言われればコースに出ることもあります。基本的には、部屋を掃除してアイロンをかけ、靴を磨いていたりします。
RK:社会人の休日を過ごしていますね(笑)。
SH:ただ、1日家にいるのは耐えられないので、少しは外出します。外で美味しいもの食べに行ったり、誰かと会ったり、ブックカフェでひたすら本を読んでいたり、ウィンドウショッピングをしたりしていますね。


RK:仕事で力を入れていることや、最近の関心事をお聞きします。
SH:そうですね、自分のせいでボート部の評価が下がるのは嫌なので、仕事は頑張っています。関心事は、最近ボディビルが面白いかなと。自分がやるわけではないですし、関心があるといっても特別オタクなわけでもないですが。あれって言い方は悪いですが頭がよくないとできないですよね。トレーニングや食事の高度な知識が必要です。食事のプロセスもたいへん細かく管理、計画し実行しています。目標と現状のギャップを埋めるために、現実を見つめ仮説と検証を繰り返すことができなければならないのかなと思います。あとはそうですね、健康には人より気を使っていると思います。
RK:減量など体重の管理が必要ですもんね。ちなみに減量が必要なCOXのために、日本一COXの食事の例を。
SH:朝は水か白湯(さゆ)で始まります。朝食はナッツとアボカドと納豆を食べて、ミックスジュース(バナナ、卵、牛乳、ヨーグルト)も飲みます。それから、ショートニングやマーガリンが入っていないフランスパンなどです。
RK:ナッツは脂肪のかたまりでは?(笑)
SH:身体に必要な良質な脂肪も含まれますし、脂肪の代謝を助ける効果があると聞いています。あとは、甘いものやスナック菓子は基本的に食べません。外出のときやイベント事、頂き物の場合などは別ですが、自分でお菓子を買って食べることはしないルールです。
RK:すみません、今日は一緒においしいデザート食べましょう(笑)。
SH:ありがとうございます(笑)。





RK:社会人でもボートを続けようと思った理由を聞かせてください。
SH:(○TTチームから)声をかけてもらったから、というのが一番の理由です。社会人チームでは、ずっと長く1人のCOXが在籍することが多く、COXの採用ってもしかしたら10年に1度とか、それくらいじゃないですか。自分はチャンスだと思いました。大学が教育科学科だったので、教職になる選択肢もありましたが、そのときしたいことがボートしかなかったので、社会人で続けられるのなら、続けようと決めました。


RK:社会人ボート選手とはどうあるべきと考えていますか?
SH:競技のピラミッドで頂点であるべき存在だと考えています。実力がまずないといけない。社会人選手の実力がないと、日本のボートが廃れると思います。学生が勝っているようでは、社会人で続ける理由がないですからね。それから、ボート選手として、人として、お手本でなければいけない。これはたとえ負けていてもです。結果というのは相手のいることなのでコントロールできませんが、成果は自分の努力次第です。そこの部分で常に若い人のお手本となり、トップにいなければならないのです。
今僕は○TTというチームにいます。僕らの可能性が高くなることが、日本のボートの可能性が高くなることとイコールだとしたら、それはすごく楽しいことだと思っています。そのために、自分たちがリーダーであり続けなければいけません。
S々野さんスーツ


RK:日々のモチベーションになることは何でしょうか?
SH:ふねに乗るのが単純に楽しいです。ふねが走ってると楽しい。
RK:これはボート選手として一番の原動力ですかね!ちなみに、艇というよりふねという言葉が多いですね。
SH:はい。それから、目標に対する挑戦の日々。挑戦そのものが楽しいです。
RK:アスリートですね。
SH:もちろん、楽しいことばかりではないですけど。あと、練習が終わった後にメンバーと一緒にご飯に行くのが楽しい!これも日々のモチベーションになります。若手メンバーはけっこう外で食べてますね。


RK:今のボート界への要望はありますか?
SH:コックスとしては、エイトで世界に挑戦する場がほしいです。本当に。
RK:やはり今日の一番の趣旨はそこですね。というか、最初にS々野さんと私を結びつけたのも、そこでした。
SH:日本が100年以上取り組んできたスイープのクルーボートの方が可能性があるのではないでしょうか。もっと本気に、ひとつになれ、日本ボート!!!
RK:心の叫びが聞こえますが、やはり多くのボートマンが思っていることだと思います。特にCOXは、チームリーダーの決断で常にその活躍の機会を奪われてしまいがちな存在です。これって、私も現役選手時代からずっと味わってきました。仕方のないチーム事情もありますが、代表はそもそも夢を与えるのが役割ではないかと。競技の舞台で活躍してこそ選手。その選手たちの生殺与奪を握っているのが、指導者であり監督や強化部長や会長など人事権のある役割の人です。可能性を閉じ込めるのが彼らのはたらきではなく、広げるのが彼らの仕事です。強化責任者に能力がなかったり、それ以前に弱気や保身を考えていたら選手たちの可能性を閉じ込め奪うだけです。チャレンジの最たる旗手や象徴が、代表チームでなくてはならない。
SH:僕は、代表チームに魅力が増すことがまず必要だと思います。それは世界に挑戦することも含まれているでしょう。代表が強くなる、その代表をめざす、魅力あふれる代表チームになる。そして若い世代が将来は自分もカッコいい代表になりたい、と好循環が生まれます。


RK:自分がボート界に貢献できることは何だと思いますか?
SH:今のチームでは、地域貢献活動の一環として、ボート教室を開催しています。他県の高校中学の生徒たちに、ボートを教える活動ですね。埼玉、富山、青森に行きまして、今度は長野に行きます。
RK:それは素晴らしい活動ですね!
SH:自分はこういうチームにいながらも決してエリートではありません。だからこそ、僕みたいにセンスがない人が頑張っているという姿を見て、何かを与えられているのではないかと思っています。
RK:しかし、そんなS々野選手の内面を知る人は少なく、強いチームの日本一COX、外見の勝っている華やかな部分ばかり人は見るでしょう。こんなことを考えている等身大の人間として見てもらえたら、また違って見えるはずですね。ところで、センスがないと自己評価している人はセンス(感性)があると思います。





RK:ではずばり、あなたにとってボートとは?
SH:自分をみつめて、自分を成長させてくれるものです。


RK:長時間ありがとうございました。最後に、チームの皆や応援してくれる人へ一言メッセージをお願いします!
SH:可能性を信じ、広げ、一緒に世界へ挑戦しましょう!!日本は世界をめざせると思っているので。


SH:今回はインタビューという形でしたが、人と話すときのほうが、自分で何を考えているか発見できるし、アイデアが出てくる気がします。比較により課題も鮮明になります。これを読んでくださっている読者のみなさん、私でよければぜひ、お話しましょう!
RK:本当に今日はありがとうございました!
SH:こちらこそ、ありがとうございました!
S野選手とRK 2ショット
忙しい中、快くインタビューに応じてくださったS々野選手と






いかがだったでしょうか、超ロングインタビュー。この場には、途中からもう一人ゲストが入ってきて真剣に日本一COXの話に耳を傾けていた場面もありました。
少しネガティブに見せつつも、内面はものすごく負けず嫌いで誰よりも自分の可能性に自信を持ち、こんなに溶岩のようにグツグツと煮え滾る熱い選手はいないという炎のCOX、S々野選手。まあ、あのCOX動画を見ればそれは感じ取れますよね。私はクールなCOXより、熱いCOXが、熱いリーダーが好きだ!

以前のコーチインタビューでも感じたことですが、ボートを通じてその人独自の考え方や行動がよく表れてくるものだと思いますし、また逆にボートというスポーツの独自性がその人の考え方や行動を形成していくところがあるという再確認をした気がします。まさにボートは個人を形作り、また人と人をつなげる触媒のようなものだと感じます。
ボートを通じ、その人の人間性が浮き彫りになってくる。インタビューは面白いなと改めて感じたRKでした。

COXは、その気になればいつまでも現役が続けられる特異なポジション。カナダには、還暦間近まで代表COXをやっていた女子COXもいます!(2017世界選手権は出てなかったですね)
まだまだ、S々野選手はこれからの選手だと僭越ながら思います。今後どんなクルーを組んで、どんなボートマンと化学反応を起こして、どれだけ爆発的に成長するか分からない。世界へ挑戦することとは、そういったビッグバンのような成長の爆発を生み出す環境へ飛び込むチャレンジだと思っています。COXもれっきとしたアスリートです。いかにボート意識を飛躍させ、クルーの艇速になっていくか。このアスリートたるCOXが、ボート選手として世界で活躍する日を。
多くのCOXたちの見つめる中、東京に挑戦するCOXを一人でも多く見たいのです。


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